Employee Interviews

最先端の技術を磨き、
抗体医薬品の
製造プロセスを
深化させる

研究職
上原 千央
CHIHIRO UEHARA
テクノロジー本部 テクノロジー開発統括部
バイオプロセス技術第一研究所 研究第三グループ
2021年|工学部 化学・バイオ工学科博士 修了
  1. INTERVIEW

    第一三共への入社理由

    アカデミアへの道も考えたけれど、
    もっと近く社会に関わる研究がしたくなった。

    幼い頃から新しいことを知ったり考えたりするのが好きで、すでに小学校時代には将来の仕事として漠然と研究職を思い描いていました。大学で学んだのはバイオ工学。博士課程まで進み、アカデミアの道も考えたのですが、社会ともっと直接関わるような研究への関心が高まり、企業への就職を選びました。製薬会社を目指したのは、家族ががんを患った経験があり、人々の健康に貢献する研究に取り組んでみたいと思ったから。説明会などに参加し、自分の専門分野が医薬の研究にも役立つことを知ったのもきっかけでした。第一三共に決めた理由は先輩研究員たちの雰囲気。面接時のディスカッションを通じて、誠実な人柄や研究力の高さを感じ、この人たちと一緒に仕事をすれば自分をもっと磨くことができると思いました。最終面接で自分の研究テーマを紹介する際、緊張で言葉が詰まってしまった私を笑顔で受け止めてくれた懐の深さにも感銘を受けました。

  2. INTERVIEW

    現在の仕事内容

    ADCに関わる製造プロセスの研究開発。
    細胞から分泌される抗体の分離・精製がテーマ。

    バイオ医薬品、なかでもADC(抗体薬物複合体)に関わる製造プロセスの初期開発と関連する研究に携わっています。治験に使用する薬の製造プロセス開発やその技術移転、当局への申請業務などが主な仕事となりますが、私は特に製造技術改良のための研究に注力しています。抗体医薬品の製造は、細胞の培養・増殖、細胞から分泌された抗体の分離・精製の大きく2つに分かれます。私が現在担当しているのは後者のステップであり、クロマトグラフィーをはじめとする装置や資材に関連する評価・改良などの研究に取り組んでいます。日々の仕事で意識しているのは、失敗を恐れずチャレンジすること。実験などについても効率ばかりを考えるのではなく、わずかでも可能性を感じたものには手間を惜しまずトライするようにしています。こうした試行錯誤が想定外の成果に結びつくことも。一方、自分のテーマや考えについては、可能なかぎりデータに基づいて論理的に説明するように心がけています。グループのメンバーたちとディスカッションを重ね、自分にはない視点も取り入れながら研究を進めています。

  3. INTERVIEW

    忘れられない仕事のエピソード

    顕微鏡の映像から成果が確認できたとき、嬉しくてみんなで喜びを分かち合った。

    私は入社後、細胞治療に関わる研究所に配属され、3年目に現在の研究所に異動してきました。前部署では、細胞加工における細胞生存率の改善が主なテーマ。当時世界でも希少な装置を使用し、チームのメンバーや装置メーカーの技術者と一丸となって“細胞ファースト”の加工プロセスの構築に挑みました。使用する緩衝液や資材の種類・濃度、装置の組み合わせはまさに無限大。原料となる細胞自体も実験ごとに状態が変化するという条件のなか、多くの実験と検討を重ねました。毎日毎日、細胞を観察していると、元気かどうかなど細胞の表情がわかるようになります。ブレイクスルーは、ある閃きからチャレンジした装置と緩衝液の組み合わせ。顕微鏡の映像から細胞生存率の改善が確認できたとき、ほんとうに嬉しくてメンバーたちと喜びを分かち合いました。常識にとらわれず、失敗を恐れずチャレンジする。あの時に得た経験や考え方が、いまも私の中に根づいています。

CHALLENGE

次なる挑戦

ADCの技術にさらに磨きをかけて世界トップクラスの製造体制の実現に貢献したいと考えています。いまはバイオ医薬品を中心に、新しい原理を持つ新薬が次々と創出される時代。将来的には、ADCを含めたバイオ医薬品の製造プロセス開発研究で培った技術や経験を活かして、新しいモダリティにも迅速に対応できるような体制を構築できたらいいなと思っています。私が描く少し先の未来は、世界中のどんな地域でも製造できる、頑健で安価な製造プロセス、システムが構築され、より多くの患者さんが薬を受け取れる世界です。患者さんにいち早く、有効な薬を届けるために、製造プロセスの研究者としてこれからも知識や経験を積み重ねていきます。

PRIVATE

休日の過ごし方

小学校から大学までバレーボール部に所属。現在も地域のバレーボールチームで活動し、週末はコートに立っています。最近、日本の伝統文化にも興味を持ち、着物の着付けを習いました。写真は、米国ラスベガスでの1ショット。西海岸のビーチで本場のビーチバレーも楽しんできました。