Employee Interviews

製剤研究者として
多様化する
医薬品開発の
最前線に立つ

研究職
中江 崇文
TAKAFUMI NAKAE
テクノロジー本部 テクノロジー開発統括部
製剤技術研究所 研究第一グループ
2021年|薬学部 薬学科 卒
  1. INTERVIEW

    第一三共への入社理由

    さまざまなバックグランドを持つ
    多様な研究者が活躍している環境に惹かれた。

    大学では心臓や腎臓の病態に関わる研究に取り組み、当初は創薬の研究者を目指していました。ところが、ある製薬会社のインターンシップに参加したことがきっかけで製剤研究のほうに興味を抱くように。薬の最適な形や作り方を考える製剤研究は、開発品目のステージに合わせて進めていく“動的な研究”。そこが自分の性格に向いていると思ったのです。また、より患者さんに近い研究と感じたことも魅力でした。製剤研究にチャレンジするならば、多数のパイプラインを持つフィールドの方がチャンスも多いと考えて、大規模な会社を中心にエントリーしました。なかでも第一三共は多様なモダリティを扱っていることに加え、ADC(抗体薬物複合体)という革新的な医薬品の製剤技術を確立した製薬会社。また、面接などで会った社員たちの印象も決め手でした。現在所属する製剤技術研究所の先輩とも話す機会があったのですが、さまざまなバックグラウンドを持つ個性的な研究者が多数いる印象を受け、私自身も活躍できるチャンスがあると感じて入社を決めました。

  2. INTERVIEW

    現在の仕事内容

    研究開発プロジェクトに携わるとともに
    基盤的な製剤研究にも挑んでいる。

    入社以来ずっとADCの製剤開発に携わっています。創薬からあがってきた化合物を製剤化するための処方検討をはじめ、治験薬として安定的に製造するための製法検討や試製、さらには臨床試験での使用を想定した検討などを行っています。ADCは化学的に不安定であることに加えて製造も複雑。品質を維持することに加え、医療従事者の使用性や患者さんのQOLなども考慮しなければなりません。一方、臨床開発を早く立ち上げるためには、研究のスピードアップも重要なテーマ。担当する品目のステージを考慮しながら、品質とスピードのバランスを図り最大限のアウトプットを出すことを心がけています。また、このような研究開発プロジェクトに加え、基盤的な研究にも取り組んでいます。現在、私が担当しているテーマは、デジタル技術の製剤研究への応用。AIなどの技術を駆使し、製剤の処方や製法をシミュレーションできる手法の確立を目指しています。

  3. INTERVIEW

    忘れられない仕事のエピソード

    医療従事者とのブレインストーミング。
    現場の生の声を研究に活かす、貴重な経験だった。

    入社3年目、ある抗がん剤の製剤開発を任されました。その品目については第一三共でもいまだに製剤化の経験がなく、目標とすべき製剤プロファイルも定まらないような状況で開発が始まりました。限られた期間でアウトプットを出すために、関連しそうな社内のデータや学会の論文など知見を収集。さらに医療現場での製剤のあり方を知るために、薬剤師や看護師など医療従事者と直接会い、ブレインストーミングを行いました。薬を実際に投与する時の状況、患者さんの状態、それらに関連する課題点……。研究室ではけっして得ることのできない、現場の生の声を聞くことができ、とても貴重な経験でした。それらの情報を活かして製剤プロファイルを作成。さらに処方の検討では、統計解析を取り入れるなどの工夫をしました。その結果、社内的にも高い評価を得る処方を提案できました。上司や先輩たちにサポートしてもらいながらも困難なテーマをやり遂げ、自身の垂直的な成長の足がかりとなる経験だったと感じています。

CHALLENGE

次なる挑戦

近年、候補化合物のモダリティや物性が多様化し、製剤開発のハードルがますます高まっています。さらには、品質ばかりでなく医療現場での使用性や低コスト化などさまざまな価値が求められます。それらは製剤研究者として困難な壁であると同時に魅力的な研究テーマでもあり、医薬品開発の最前線で勝負できるまたとないチャンスだと感じています。そのためには、製剤研究者としての専門性を高め、論理的な思考力を鍛えていくことも今後のテーマ。今年から、研究所での業務の傍ら、改めて大学院に籍を置き、博士号の取得を目指してオンラインで指導を受けています。将来的には社内外の多くの人たちと協働し、第一三共の製剤開発を先導する研究者として、患者さんや社会に貢献する喜びを分かち合っていきたいと思っています。

PRIVATE

休日の過ごし方

ソファーに寝そべり、猫と戯れるひと時が至福のリラックスタイム。出勤前も30分くらい猫と一緒にのんびりすることがあります。でも、まもなく第一子が誕生する予定なので、こんな生活にも変化が起きそう。現在は、子育て用品を集めたり、未来の家族像に思いを馳せたりしています。