第一三共グループの米国法人「DAIICHI SANKYO, INC.(略称DSI)」のコーポレートファイナンス部門に所属する志摩雅史さん。2019年7月に第一三共に入社後、本社財務経理部で、前職でも携わっていた国際税務を主に担当してきました。2024年7月からはアメリカでの勤務をスタート。イギリスの大手製薬会社とのアライアンスに関する業績管理を担当しています。グローバルに働ける第一三共で、ファイナンス、その中でも主に国際税務や業績管理に携わるやりがいやアメリカでの生活について聞きました。
重要性が増す国際税務を製薬会社で担当することで、医療の進歩に貢献したい
前職では、11年にわたって主に国際税務や業績管理に携わってきました。その中でも国際税務の業務では、日本企業のグローバル展開の進展に伴う税務ガバナンスの重要性を実感していました。
第一三共へ入社したきっかけも、事業のグローバル展開とともに直面するさまざまな国際税務課題の対応を手がけられるのではと考えたからでした。
また、私の両親ががんを患ったことがあり、オンコロジー領域に関心がありました。医療の進歩により社会へ貢献する、その実現方法として製薬会社に勤めてみたいと思ったのも、きっかけの一つです。
グローバル品目の国際税務に係る対応のため、社内関連部門との連携や税務当局との折衝に尽力
第一三共に入社後の5年間は、日本の財務経理部の税務グループに所属し、税務情報の外部開示の拡充や税務ガバナンスの強化をはじめ、さまざまな国際税務の業務に従事しましたが、特に印象に残っているのが移転価格税制における事前確認制度の申請・審査の対応です。
所在国が異なる関連企業と取引するときは、「移転価格税制※1」と呼ばれる制度にしたがって、グループ外企業と同様の価格や条件で取引を行うことが求められます。グローバル関連企業間の取引規模の大きいグローバル企業ほど、この税制への遵守が重要となりますが、それに伴う税務リスクを事前に排除するための方法として利用されているのが、「移転価格税制に関する事前確認制度※2」です。この制度は会社が任意で実施するものであり、取引予定のある国・地域の税務当局に申請します。
私は抗がん剤に関して、日本とアメリカの税務当局間での事前確認制度の合意に携わり、プロジェクトを進めるチームを主導する役割を担いました。合意までの過程においてさまざまな資料提出や説明が必要となりますが、日本の各部門やグローバルの子会社のファイナンス部門に協力を依頼し、連携しながら対応を実施しました。税務当局の審査の際に回答が難しい質問があった場合も、チームで解決策を模索し、無事承認を得られたときは非常にやりがいを感じました。
- ※1移転価格税制:法人と国外関連者が、独立企業間価格と異なる価格で取引を行うことで、その法人の課税所得が減少する場合に、独立企業間価格で取引されたものとみなして課税所得を計算する制度
- ※2移転価格税制に関する事前確認制度:企業からの申出によって、税務当局が対象となる当該企業の申請する国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法及びその具体的内容について事前に確認を行う制度
アメリカではアライアンスの業績管理に従事し、現地の医薬品ビジネスを体感
2024年7月からはアメリカでの勤務をスタート。DSIのコーポレートファイナンス部門に所属し、イギリスの大手製薬会社とのアライアンスに関する、業績管理を中心とした業務に携わっています。
直近で携わった業務の例としては、アライアンスに関する両者の全世界の費用・収益の集計、両者の負担割合の算定・精算の手続きがあります。正確さはもちろんですが、所定の期限を遵守しながら完了する必要があります。主に欧米各地に在住するメンバーとのスムーズな連携のために、会議やチャット、短時間の会話を通して、こまめな意思疎通を図っています。
印象に残っているのは、DSIではつい最近、ストリーミングでの主力製品の広告を開始し、私の所属する部門では同広告を見て感じた事など、率直な意見交換をしたことです。日本とは異なり、アメリカでは医療用医薬品の一般消費者向け広告宣伝が可能で、広告以外でも、医療保険制度なども日本と大きく異なっており、アメリカの医薬品ビジネスを直接肌で感じる機会を得られています。
プライベートでは趣味で観劇も
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DSIファイナンス部門のメンバーたち
アメリカに移ってからはまだ日が浅いですが、現在所属するファイナンス部門は、非常にフレンドリーな雰囲気です。各メンバーの業務予定に加え、直近のプライベートの出来事を紹介するミーティングやチームでのランチ会など、人となりを知る機会や交流の場も多くあります。
また、オフにはアメリカならではの生活を楽しんでいます。大学時代は合唱サークルに所属していて観劇が好きだったこともあり、ニューヨークのブロードウェイでミュージカルを鑑賞しましたが、やはり本場で見るのは格別でした。今度はメトロポリタン歌劇場へ、世界最高峰といわれるオペラを観に行ってみたいです。
ファイナンスの観点から会社のグローバルな成長に貢献したい
ファイナンスの業務の中でも、会社の状況を数値の面で把握し、専門分野の知見も生かしつつ今後の方向性の検討や提言に参画できる点にやりがいを感じています。そして、グローバル化が進む第一三共において、ファイナンスの各地域間の連携もより一層重要になっています。
今後も、現在担当している業績管理や以前に担当した国際税務をはじめ、ファイナンスの知見を生かした業務を通じて、第一三共のグローバルな発展に貢献していきたいです。
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