第一三共株式会社(以下「第一三共」)は、このたび、アステラス製薬株式会社の100%子会社であるゼ ファーマ株式会社(本社:東京、社長:大江方二、以下「ゼファーマ」)の全株式を取得することをアステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:竹中登一、以 下、「アステラス」)との間で合意し、本日、株式譲受に関する契約書を締結致しましたので、下記の通りお知らせ致します。
1.ゼファーマ株式取得の意義
第一三共グループは、三共株式会社ならびに第一製薬株式会社のヘルスケア事業の統合を行い、第一三共ヘルスケア株式会社(以下「第一三共ヘルスケア」)を設立し、4月3日(月)より営業を開始致します。
第一三共ヘルスケアは生活者満足度の高い製品・サービスを継続的に生み出し、より健康で美しくありたい人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に貢献することを目指しています。
今般、同じ新薬メーカー発の企業文化を共有するゼファーマを第一三共グループに迎えることにより、グループ内のヘルスケア事業は、両社合わせて売上 高500億円を超える業界トップ3クラスの事業規模を確保します。今後、継続的な研究開発投資とブランド育成を可能とする強固な経営基盤を確立して参りま す。また、国民の健康と豊かなくらしのパートナーとして、生活者・患者、薬局・薬店、行政等と共通の目的の下に発展を目指して参ります。
今後、2007年4月を目標に、第一三共ヘルスケアとゼファーマを統合しヘルスケア事業を拡大させるとともに、ローコストオペレーションの事業体を構築し、競争力を高め、収益性の向上を図ります。
期待される効果 |
① |
第一三共ヘルスケアとゼファーマの既存製品は、総合感冒薬、胃腸薬、外皮用薬の各カテゴリーにおいてコンセプトの異なる ユニークなブランドが集まり3つの強力なフランチャイズが構築できます。また、発毛剤、ドリンク剤、湿布剤、花粉症剤、殺菌消毒剤、オーラルケア等のカテ ゴリーでは、生活者の幅広いニーズに応えることが可能な、層の厚い製品ラインアップを実現させます。 |
② |
ゼファーマは生活者ニーズに合致する優れた製剤技術を有しており、同社の新製品のみならず第一三共ヘルスケアの製品や開発シーズ・テーマへの展開を図ることができます。 |
③ |
両社の開発シーズ・テーマの統合と開発投資を支えるキャッシュフローの拡大により、新規カテゴリー・新ブランドへの展開並びに独創性の高い商品開発が可能となります。 |
④ |
第一三共ヘルスケアが保有するコンビニエンスストア・スーパーなどの食品・雑貨系販売チャネルにゼファーマ製品も投入し潜在需要を掘り起こすことができます。 |
⑤ |
コーポレートブランド力、マーケティング・販売力の向上により、他社製品のライセンスインの機会を増大することが可能となります。 |
⑥ |
ゼファーマはアステラス製薬の医療用成分のスイッチOTC化について第一選択権を保有します。 |
⑦ |
両社の豊富な人材を効果的に活用して組織能力の飛躍的な向上を図ることができます。 |
⑧ |
事業運営効率化の取組みを強化し、ローコストオペレーションを実現させます。 |
2.第一三共グループにおけるヘルスケア事業の基本的考え方
第一三共グループは医療用医薬品事業ならびに一般用医薬品を中心とするヘルスケア関連製品(トータルヘルスケア)をコア事業と位置付け、疾患の治療・軽治 療からセルフメディケーション、疾病予備群の予防医療や生活改善、健常人の健康維持・増進まで幅広い事業領域で、国民の健康で豊かな生活に貢献することを 使命としています。
日本において、医療費抑制策の進展が、中長期的に医薬品市場構造の組換えを促し、ヘルスケア事業領域を活性化する可能性があると予測され、将来のいかなる制度改革にも対応できる柔軟性を備えることが重要と考えています。
また、新薬メーカーとして我々が有する高度なサイエンスの基盤、疾患への深く正しい理解、絶対的高品質、エビデンス重視のカルチャーなどの強みが最大限発 揮できる機会が、これからのヘルスケア事業領域に存在すると認識し、生活者・患者のニーズにこたえ、積極的に事業展開を進めて参ります。
3.本件の日程 |
2006年3月31日 |
第一三共取締役会後 株式譲受けに関する契約書締結 |
2006年4月13日 |
株式譲受け(予定) |
2007年4月1日 |
第一三共ヘルスケアとゼファーマを統合(予定) |
4.ゼファーマの概要
|
ゼファーマ |
(ご参考)第一三共ヘルスケア |
商号 |
ゼファーマ株式会社 |
第一三共ヘルスケア株式会社 |
代表取締役社長 |
大江 方二(おおえ まさじ) |
井手口 盛哉(いでぐち もりや) |
本社所在地 |
東京都中央区日本橋本町2-7-1 |
東京都中央区日本橋箱崎町36-2 |
設立年月日 |
2004年10月1日 |
2005年12月16日(2006年4月3日営業開始予定) |
事業内容 |
医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の開発・販売 |
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、食品、飲料水等の製造および売買 |
決算期 |
3月31日 |
3月31日 |
資本金 |
300百万円 |
100百万円(2006年4月1日現在) |
従業員数 |
197名(内MR108名)(2006年3月末現在) |
305名(内MR127名)(2006年4月1日予定) |
売上高 |
224億円(2005年3月期通期換算) |
296億円(2005年3月期三共・第一製薬ヘルスケア事業単純合算) |
主要製品 |
ガスター10(胃腸薬)
プレコール(感冒薬)
マキロン(殺菌消毒薬)
カコナール(葛根湯)
クリーンデンタル(高機能歯磨き)
ミノン(低刺激洗浄剤)
オイラックス(皮膚治療薬)
エージー(抗アレルギー剤) |
ルル(感冒薬)
カロヤン(発毛促進剤)
新三共胃腸薬(胃腸薬)
パテックス(外用消炎鎮痛剤)
リゲイン(ドリンク剤)
ラミシールAT(水虫・たむし治療薬)
システィナC(ビタミン剤)
ビトン-ハイ(ビタミン剤) |
5.株式取得方法
本契約に基づき、当社は株式譲受の対価として、株式譲受日に現金235億円を支払い、またゼファーマが保有する現金等の調整額を後日現金で追加支払いいたします。株式譲受日は4月13日の予定です。
6.業績への影響
ゼファーマは第一三共の連結子会社となるため、2007年3月期以降の連結業績に影響を与えることになりますので、改めて情報開示を行ないます。
以上