中国において発育阻害児童の多い雲南省廣南県の6カ所の郷を対象に、母子健康改善に資する医療アクセス改善プロジェクト活動を実施しました。各活動に、評価項目を設定し、継続的に活動の進捗モニタリングを実施しました。
本プロジェクトでは、260名の村医・助産師などの保健医療従事者がIMCIトレーニングや新生児ケアトレーニングを受講し、小児の疾患への対応、乳幼児へのケアなどについて学びました。また、6カ所の郷すべてにコミュニティーセンターを開設し、保護者向けの意識啓発活動を行い、5年間で約18,800人の地域住民が活動に参加しました。加えて、2018年度からは地域での健康教育も始まり約10,600人の住民が参加し、衛生意識の向上に繋がっています。
トレーニングを受講した村医や助産師の活動や住民の意識改善により小児疾患の重篤化が軽減されている傾向がみられ、その効果として広南県の5歳未満児死亡率は、プロジェクト開始前の18.94(2014年)から9.95(2018年)と大きく改善し活動の効果が現れています。
この事は、今後期待される住民自身による、地域保健医療の運用に向けた取り組みが進んでいることが伺えます。
なお、これらの活動はAccess Accelerated*2におけるイニシアティブとして活動報告しています。
SDGsへの対応課題 |
目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」
3.1 世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減
3.2 新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶 |
活動概要 |
移動診療車を用い、医療インフラが未整備な地域へ医療サービスを提供する。
1.小児疾患に関する保健人材の能力開発(IMCIトレーニングなど)
2.コミュニティ保健員およびボランティアの能力強化
3.コミュニティにおける意識啓発活動 |
活動期間 |
2015年度~2019年度(5年間) |
パートナー |
公益財団法人 プラン・インターナショナル・ジャパン |
活動実績 |
1.IMCIトレーニング受講者 :257人
2. IMCIリフレッシャートレーニング受講者: 201人
3.必須新生児ケアトレーニング受講者: 214 人
4. コミュニティーセンター活動参加者: 18,830人
5. 地域での健康教育の参加者: 10,634人 |
成果指標および結果 |
1.5歳未満児の死亡率(1,000人あたり):ベースライン 18.9人 → 9.95人(目標15人)
2.完全母乳育児について適切な知識を持つ5歳未満児の保護者の割合 :ベースライン 3.5% →11.6%(目標値30%)
3.貧血を予防するための適切な知識を持つ5歳未満児の保護者の割合 :ベースライン10% → 11.4 %(目標値50%) |
5年間(2015年~2019年)の活動報告は、以下の通りです。