社会に出て約20年間、日系のIT企業に勤めたあと、2年間外資系のITコンサルティング企業で働いていました。日系IT企業では、製薬業界のお客さまを担当。システムの提案や導入、運用、コンサルティングなどを一通り経験し、そのうちの5年間はアメリカのシリコンバレーで新しい技術やITベンチャーの発掘を行っていました。
これまではお客さまの会社を外から支援する立場でしたが、今度は自分が当事者として責任を持って企業の成長に寄与したいと思い、2023年の7月に第一三共に入社。重視したのは、自分のスキルをしっかり活かせる場所であることです。長年製薬業界に携わっていたので、転職するのであれば製薬会社がいいと思っていました。
これからの製薬業界では、ITの可能性がますます広がっていく
今の時代、治療だけでなく健康促進、予防、予後ケアにわたってサービスを提供できるような時代になりつつあり、そこで大きな力を発揮するデジタル/ITは製薬業界において今後ますます重要視されていくと予想されます。
そんな製薬業界の中でも、第一三共には特に“最新技術へのアンテナを常に張り続けている企業”というイメージを持っていました。私が前職でアメリカに駐在していた時に、第一三共のチームが、新技術を調査するためにアメリカを訪れたことがあったからです。私がこれまで培ってきた先進技術への理解や、新しいものを企画して立ち上げる経験、海外ベンダーとの交渉経験など、これから成長していく第一三共のDX領域でも活かせるのではと思ったのが入社の決め手になりました。
「DS-GAI」の走り出しから普及まで。社員みんなが活用すれば、働き方は大きく変わる
DX企画部の全社変革推進グループに所属して、DXで全社を支える役割を担っています。特に注力しているのは、社内向け生成AIシステム「DS-GAI(Daiichi Sankyo - Generative AI)」の推進や啓蒙。私が入社した時は、ちょうどプロジェクトが立ち上がって走り出したタイミングでした。
今では、DS-GAIはファイルや社内データに基づいたチャット応答、画像生成などさまざまな機能を搭載しているので、使わないともったいないほど便利なものです。日本の9,000名ほどいる全グループ会社の社員のうち、半数以上が「DS-GAI」を使ったことがあり、1日あたりの平均利用者数は600名を超えています。社内定着は進んでいると言えますが、利用者でもその機能を完全に理解している人は少なく、十分に活用できている人は多くはないと感じます。具体的にどう業務の役に立つのか、啓蒙に力を入れていかねばと思っているところです。
たとえばコーポレートの管理部所の場合、英語でメールを作成する時や、議事録をまとめる時、Excel操作にVBAを活用する時など、「DS-GAI」を使えば業務が大幅に効率化することが分かりました。あらゆる部所で、「DS-GAI」を有効に使うことで、社員の働き方が大きく変わっていくのではないでしょうか。
有機的な連携で一歩先のグローバル企業へ
生成AIという文脈では、海外各拠点での活動をグローバルで一元的に統括して、より有機的に動けるようにするために、日米欧間での生成AIに関するバーチャル組織に立ち上げから参画し、今後のビジネス貢献に向けた組織強化プロジェクトを推進しています。
今、第一三共はグローバル化の過程にあり、各拠点をまとめて大きな一つの組織と捉えて、統一した文化を生み出そうとしている段階。より統一されたグローバル化に向けて会社が前進しているのを肌で感じています。
仕事が進むスピード感と、仕事に対するメンバーの姿勢に感動
第一三共に来て感銘を受けたのは、「DS-GAI」のリリースや機能の追加がものすごいスピード感で進んでいったこと。一緒に仕事をしているメンバーはとても能力が高いですし、責任感と情熱をもって真摯に仕事に向き合っています。
短期間でこれだけのシステムをリリースできたのは、メンバーの仕事に対する姿勢と、システムの重要性を理解して支えてくれた、現場からシニアレベルまでのあらゆるレベルのマネジメントの皆さんのおかげです。
会社の成長に寄与できているという実感が、やりがいにも繋がる
「会社の中から当事者として組織を見つめ、成長に寄与したい」という思いで入社しましたが、今まさに責任を持って「DS-GAI」やバーチャル組織に参画しながら、業務の効率化や会社のグローバル化に寄与できていると感じています。
会社の中にいると、ユーザーである社員の声を近くで聞けるので、それがやりがいにも繋がります。現場からは、元々プログラミングができなかった人が「DS-GAI」を使って、アプリケーションをカスタマイズできた、なんていう話も聞きますし、ユーザーの反応をダイレクトに得られるのはうれしい限りです。
チームにはさまざまな背景を持った人が集まる
私の所属する全社変革推進グループのメンバーは10人程度。グループ会社から出向してきている人や、社内の他部所から異動してきた人、私と同じように転職してきた人など、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まって組織が作られています。
第一三共は長い歴史を持つ企業なのでお堅い会社なのでは……というイメージもありましたが、入社してみるとフラットな組織形態でとても働きやすく、いい意味でのギャップを感じました。
「攻めのIT」を活用しながら社員を支え、会社を推進させていく
ひとくちにITと言っても、攻めのIT、守りのITがあります。私たちが目指すのは、新しい技術を活用して社内の仕組みを土台から整える、「攻めのIT」を活用したDXの推進です。今後、世の中に出てくる先進技術をいちはやくキャッチして、DX推進に活用していきたいと思っています。
DXを推進することで社内業務の効率化、生産性の向上だけでなく、新たな価値の創出に繋がると考えています。DXの力で会社の成長に貢献できるよう、私自身も成長を続けていきます。