第一三共株式会社の関連公益財団法人である第一三共生命科学研究振興財団(東京都中央区、理事長:眞鍋 淳、以下「当財団」)は、2021年度の第19回「高峰記念第一三共賞」の受賞者として、濱田博司博士(理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー)を選出しましたのでお知らせします。
当財団は、高峰譲吉博士の研究業績に因み、「高峰記念第一三共賞」を創設し、毎年、生命科学、特に疾病の予防と治療に関する諸分野の基礎的研究並びに臨床への応用的研究において、その進歩・発展に顕著な功績をあげ、活躍中の研究者に贈呈しております。
なお、当財団は設立以来、生命科学分野における独創的な研究に対する研究助成、国際交流の援助(海外共同研究支援助成及び国際シンポジウムの開催助成)などの助成事業を行っております。
公益財団法人 第一三共生命科学研究振興財団
受賞研究テーマ
「哺乳動物の胚発生の基本的な仕組みの研究」
濱田博士は、永年にわたり発生生物学、発生遺伝学の分野において世界をリードする研究業績を挙げてきた。特に、ES細胞の全能性維持に必要な転写因子
Oct3/4の発見、さらにマウス胚で左右非対称に発現する
Lefty等の分子を発見し、それまで全く未知であった体の左右非対称に関する研究分野を開拓し、その研究成果は生物学に新しい概念をもたらした。ヒトにおける左右異常は先天性心奇形の主要な原因であること、また、繊毛病の解明にも寄与し、基礎生物学だけでなく医学にも大きなインパクトを与え、現在も活発な研究活動を行っている。
(所属機関・役職)
国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー
(主な略歴)
1975年03月 岡山大学 医学部卒業
1979年03月 岡山大学大学院 医学系研究科博士課程修了
1979年10月 米国 国立衛生研究所・癌研究所Visiting Associate
1985年01月 カナダ ニューファンドランド・メモリアル大学医学部Assistant Professor
1988年04月 東京大学医学部生化学教室 助教授
1993年04月 東京都立臨床医学総合研究所 化学療法部・部長
1995年04月 大阪大学細胞生体工学センター 教授
2002年04月 大阪大学大学院生命機能研究科 教授
2015年10月 理化学研究所 多細胞システム形成研究センター長
2018年04月 理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー
(主な受賞歴)
2012年 内藤記念科学振興賞
2014年 紫綬褒章
2014年 慶應医学賞
2017年 東レ科学賞
2020年 兵庫県科学賞