第一三共は、レボフロキサシン(LVFX)感受性調査で集積された国内臨床分離株11万株を国立感染症研究所に無償譲渡することが決定しましたのでお知らせいたします。
LVFX感受性調査は、LVFX及び他の抗菌薬に対する国内の臨床分離株の感受性を調査し、その耐性状況を把握することを目的に、1994年から2016年にかけて合計10回、継続的に実施されました。この間、全国100施設から15菌種と12種類の属菌、計11万株の貴重な菌株を収集し解析することができました。一方で、集積された菌株の更なる有効活用や保管について、LVFX感受性調査を主導していただいた東邦大学医学部微生物・感染症講座(日本感染症学会 理事長、舘田一博教授)をはじめ、国立感染症研究所ならびに日本医療研究開発機構(AMED)と検討いたしました。その結果、第一三共が国立感染症研究所にこれらの菌株を譲渡し、当研究所 薬剤耐性研究センター 薬剤耐性菌バンクにて保存管理していただくことで薬剤耐性(AMR)対策研究に広く活用していただくことが合意されました。これは、2016年に策定された国家行動計画である薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの戦略5.1の取り組みである「分離株保存の推進と産官学で利用可能な「分離株バンク(仮称)」の整備の推進」に合致するものであり、これらの菌株の有効な活用により、世界的に進められている薬剤耐性(AMR)の生態系の解明や、その発生・伝播に関する研究の推進が期待されます。
なお、今回譲渡した菌株を国内の研究機関に幅広く活用していただくための利用方法については、現在検討中であり後日公開される予定です。本件は、東邦大学、国立感染症研究所ならびにAMEDのホームページにも公開されていますのでご参照ください。
東邦大学
国立感染症研究所
日本医療研究開発機構
契約手交式の記念撮影(右より、東邦大学医学部・舘田一博教授、第一三共・荒井美由紀執行役員、日本医療研究開発機構・宮川昭二課長、国立感染症研究所・脇田隆字所長、第一三共 安全管理調査部・和田憲刀部長、国立感染症研究所薬剤耐性研究センター・菅井基行センター長)