2020年03月23日
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当社は、Global Antibiotic Research and Development Partnership (グローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ、以下「GARDP」)が主導する「薬剤耐性(AMR*1)スクリーニングコンソーシアム」に参加する契約を締結しました。本コンソーシアムには武田薬品工業株式会社およびエーザイ株式会社が参加しており、各社の化合物ライブラリーを用いて抗菌活性を有する新規化合物の取得を目指しています。

薬剤耐性(AMR)の脅威は今や世界的な公衆衛生上の大きな課題となっています。深刻な細菌感染症に対して、現在開発中の抗菌薬はわずかであり、いま適切な対策を取らなければ、2050年に年間約1,000万人が薬剤耐性(AMR)菌で命を落とすと予測されています。現状においても薬剤耐性(AMR)菌感染症により毎年約70万人が死亡していると推定されています。重症細菌感染症、特にグラム陰性菌感染症はWHO (世界保健機関) により世界的な公衆衛生上の優先課題として認識されています。日本国政府も2015年に「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」を取りまとめており、本コンソーシアムへの参画は、その目標5「薬剤耐性の研究や、薬剤耐性微生物に対する予防・診断・治療手段を確保するための研究開発を推進する」に合致するものです。

本コンソーシアムでは、当社オンコロジー統括部創薬化学研究所が第一三共RDノバーレ株式会社の支援を受け、これまでに抗菌活性スクリーニングが行われていない当社化合物ライブラリーを提供しGARDPがそれら化合物のスクリーニングを実施します。この抗菌活性スクリーニングの対象となる病原菌はWHOが発表している「優先的に対処すべき病原菌」リストにおいて新規抗菌薬の開発が必要とされた細菌です。GARDPは本コンソーシアムの活動から、次の開発段階に進むべき新たな化合物を選定することを目指します。

本コンソーシアムを通じ、当社は薬剤耐性(AMR)の脅威にさらされている患者さんのための新たな治療薬創出の活動に参画し、薬剤耐性菌により命を落とすことのない世界の実現に貢献します。

AMR*1: Antimicrobial resistance

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