2017年2月1日、タンザニアのキロンベロ県において、移動診療サービスのローンチセレモニーを開催しました。
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当社は、医療アクセスの拡大に資する活動として、タンザニアの乳幼児死亡率と妊産婦死亡率が高く、医療アクセス上の課題がある地域(キサラウェ県)において、2011年から移動診療サービスを5年間展開してきました。その結果、当該地域における1歳未満児のはしかの予防接種率の向上(75%から91%)および妊産婦健診の受診率の向上(34%から71%)などに貢献してきました。
しかし、タンザニアにおいては、いまなお課題がある地域が存在することに鑑み、新たな活動地域としてキロンベロ県を選定し、移動診療サービスを継続実施していくこととしました。
本活動は、「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」の達成に焦点をあてた活動で、国際NGOである「プラン・インターナショナル」と協働し、推進していきます。
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活動エリアの一つであり、セレモニーが開催された村はダルエスサラームから約420km南西にあり、4輪駆動車でも片道10時間以上かかります。
セレモニーには、県知事、県議会議員、行政長官、保健局長、母子を含む地域住民、プラン・インターナショナルのスタッフなど約200名が出席しました。
セレモニー当日は雨が降り、ぬかるみの中を移動しました。
第一三共からの挨拶
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「移動診療サービスの提供により、今まで医療アクセスが限られた地域の人々に健康がもたらされることを願っています。」
県知事のスピーチ
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「ワクチン接種率を国の目標値まで高めていきたいと考えていきます。」
イベント
劇によるワクチン接種の教育や医療従事者による母子の健康についての指導が行われました。
住民へのインタビュー
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「以前は自転車で3時間かけて妊産婦健診を受けに来ていました。移動診療車が来ることで今回は1時間で子どもの予防接種に来ることができました。」と1歳半の子どもを連れたお母さん
また、当地域では、今回の活動にあわせて、妊産婦のための健診や地域住民の教育活動のための簡易施設を、県やNGOの支援無しにコミュニティー自らが建設しており、モデルケースとして県からも賞賛を受けています。
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コミュニティー自らが建てた簡易施設
この施設では、医療従事者による予防接種の重要性や栄養、家族計画についての指導のほか、予防接種が行われます。
当社は、本活動のほか、中国雲南省における保健人材の育成や地域住民への保健衛生の啓発活動や、グローバルヘルスにおける研究開発の促進に取り組むことで、グローバルに事業展開する製薬企業として、引き続き開発途上国の医療アクセス改善に取り組んでいきます。
写真提供:プラン・インターナショナル・ジャパン