ワークライフサイクルの推進

当社グループでは、仕事と生活の好循環を生み出すという意味を込めて「ワークライフサイクル(WLC)」というコンセプトを提唱し、社員のWLC支援に取り組んでいます。仕事での経験はもちろん、仕事以外の時間から相乗的にもたらされる、やりがいや充実感、多様な経験や視点・知識・考え方は、個人と組織の相互成長や継続的な価値創造を支える重要な源泉だと考えています。社員一人ひとりが目指すWLCの実現に向け、時間や場所に縛られない柔軟な働き方の推進や仕事とライフ(育児・介護・治療など)の両立支援、キャリア形成支援、自己啓発支援に加え、セミナーや対話会の実施などに取り組んでいます。

最適な働き方を選択できる環境整備

国内第一三共グループでは、社員が最大限に能力を発揮できるよう「多様な働き方の推進」、「オフィス」、「IT基盤」の3つの観点から、最適な働き方を選択できる環境整備を進めています。
「多様な働き方の推進」の観点では、業務特性とライフスタイルに応じた働き方に資するよう、コアタイムのないフレックスタイム制などの柔軟な勤務体系や多様な休暇の仕組みを整備しています。
また、テレワーク制度についても、2010年に初めて制度を導入、その後10年かけて段階的に拡充し、現在ではテレワークが可能な業務に従事するすべての社員が、利用日数の制限なくテレワークを活用できる制度となっています。そして、これまでの取り組みが評価され、2021年度には厚生労働省が主催するテレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)において厚生労働大臣賞(特別奨励賞)を受賞しました。
「オフィス」の観点では、ABW(Activity Based Working):働く場所や時間を自由に選択できる働き方)を軸にオフィスの再設計を2018年度から順次展開しています。例えば、本社では大胆なペーパレス化により紙の量を半分に削減させるとともに、フリーアドレス化を進め、捻出したスペースを有効活用して、新たなコンセプトで大胆なオフィスレイアウトのリニューアルを実施しています。
「IT基盤」の観点では、社員がストレスなくどこでも仕事ができるよう、モバイルPCやiPhoneを全社員へ配布、経費精算や押印業務のペーパレス化、新たなITツールの導入など、さまざまな面からIT基盤の強化を図っています。 第一三共グループでは、今後もさらに社員が最大限に能力を発揮できるよう、いっそうの環境整備に取り組んでいきます。

多様な社員のキャリア形成と働き方の実現

社員のキャリア形成においては、国籍や性別、年齢、障がいの有無などにかかわらず、一人ひとりの能力や適性に応じた配置や育成の機会を提供するとともに、社員の成長を促す評価の仕組みを導入しています。さらに、社員自らが将来のキャリアを描き、上司との面談により目指す方向性をすり合わせるしくみ「自己成長申告制度」の実施や、社内の職務情報やキャリアパスイメージの公開など多面的な取り組みを行っています。また、多様な社員が最大限に能力を発揮できるよう、コアタイムのないフレックスタイム制などの柔軟な勤務体系や多様な休暇の仕組み、テレワークの推進など、誰もが働きやすい環境整備に取り組んでいます。個人の成長が会社の成長へとつながり、ひいてはDSグループの社会的価値の持続的な向上に寄与するとの考えから、2021年度から個人の自律的なキャリア形成と成長を支援する「キャリア支援休職制度」を導入、2022年度からは副業の手引きを社員に明示して自社の業務や社員の健康に支障のない範囲で副業を許可することで、業務では習得しがたい多様な経験や専門性の深化、能力開発やスキルの獲得を支援しています。

その他にも、事情により退職する社員の再雇用制度「re-member制度」など、ライフイベントの影響を最小限に留め、第一三グループにおいて長期的に活躍してもらえるしくみを構築しています。

ライフイベントと仕事の両立

出産・育児・介護などライフイベントと仕事を両立しながら、やりがいを持って働き続けることができる環境整備に取り組んでいます。
男性社員の育児参画を促すための研修や上司との面談、男女ともに育児休業取得後のスムーズな職場復帰を実現するためのセミナーや事業所内保育所(3事業所)の設置、ベビーシッターサービスの利用補助、介護セミナーや相談会の開催など、仕事と育児・介護を両立しながら活躍し続けるための支援策を継続的に行っています。また、治療と仕事との両立支援として、がん、脳血管疾患、心血管疾患、その他難病等および不妊の治療のために一定期間に亘り就業しながら反復・継続して通院・治療する場合、療養休暇を1日単位または半日単位で分割取得することも認めています。
未就学児をもつ MRには営業車両を用いた保育園への送迎を認め、時間の有効活用による外勤時間の確保や業務の効率化、負担軽減につなげることでMRの働きやすさの向上を図っています。これまでに育児休業から復職した女性MRの約66%が本制度を利用していることに加え、利用者の約66%は男性MRであり、本制度をきっかけに育児に積極的に参画する男性社員も増加しています。

「くるみん」「プラチナくるみん」の取得

くるみん・プラチナくるみん

当社グループでは、「制度を取得しやすい環境づくり」と「多様性に対応した制度づくり」の両面から、積極的に子育て支援に取り組んできました。その結果として、第一三共、第一三共プロファーマ、第一三共RDノバーレ、第一三共ビジネスアソシエ、第一三共ヘルスケア、第一三共ケミカルファーマが次世代認定マーク「くるみん*」を取得しています。
さらに2019年には第一三共、2022年には第一三共ヘルスケア、そして2023年3月には第一三共ケミカルファーマが、より高い水準で仕事と育児の両立支援の取り組みを実施していることの証として、特例認定マーク「プラチナくるみん」の認定を取得しました。
今後も引き続き、社員の多様なライフスタイルや価値観に対応できる制度および環境づくりに取り組み、国内グループ全社での「プラチナくるみん」取得を目指します。
*「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証。子育て支援など一定の基準を満たした企業・法人へ与えられるマーク

第一三共「プラチナくるみん」取得までの経緯

取得状況と取り組み経過
2009年、2011年、2013年、2015年 くるみん認定取得
2015年5月~2018年3月 第5期行動計画に基づく取り組み実施
2019年2月 「プラチナくるみん」認定取得

日本国内の多様な働き方を支援する主な制度・施策

労働時間制度

長時間労働の防止に努めるとともに、職務特性に応じた柔軟な勤務体系を構築することで、生産性の向上と社員の自立性を尊重した多様な働き方を推進しています。

長時間労働の防止

・労働時間管理委員会の実施

国内グループ会社の全事業場において、毎月、労使での労働時間管理委員会を開催し、すべての社員の労働時間の状況を確認するとともに、一定の基準を超えて勤務を行った社員について、所属上長と連携した速やかな改善策の検討・実行を行うなど、きめ細かい労働時間管理を実施しています。

・長時間労働防止の取組み

健康確保および能率低下防止の観点から、午前半休の取得や勤務開始時刻の調整等により、終業から始業まで原則として11時間確保する勤務間インターバル制度を2019年度より導入しています。また、過重労働を原因とした健康障害を発生させないため、2018年度より、裁量労働制適用者を含むすべての社員を対象に基準となる労働時間の上限を設定し、健康管理に向けた啓発や業務改善の実施等、労使連携のもと長時間労働の防止に力を入れ取り組んでいます。(例:時間外労働が月45時間を超えて勤務を行った社員の「過重労働防止休暇」の取得、平日時間外と休日労働の合計が月80時間を超えた場合の「長時間労働改善計画書」の作成・実行、人事担当による面談の実施等)

効率的なタイムマネジメントで成果を創出

意欲ある社員がやりがいをもって成果を出し続けられるよう、またその時々の職場や生活環境に合わせた働き方を選択できるよう、フレックスタイム制(※1)や裁量労働制などの労働時間制度や在宅勤務制度を設けています。それにより、自律性・計画性を高めるとともに、業務にメリハリを持たせ、リフレッシュや自己啓発時間の確保に繋げ、ワークライフサイクル(※2)を推進しています。
(※1)一日の就業時間にフレキシビリティを持たせ、労働時間の効率的活用と生産性の向上を図ることを目的としています。2019年4月からは、コアタイムを廃止し、より柔軟な働き方を可能としています。
(※2)ワークライフサイクル:第一三共グループでは、バランスという両立や天秤のイメージではなく、仕事と生活の好循環の意味をこめて、「ワークライフサイクル」という名称で独自の考え方を提唱し、浸透を図っています。

子育て支援

男女ともに、子育てをしながらも、能力を最大限に発揮してキャリア形成ができる環境づくりを進めています。

育児休業
生後1年に達しない子どもを養育している場合、最長で子が2歳に達する前日まで取得することができます。2022年10月からは、法改正に合わせて、延長前の休業が2回に分割可能となるだけではなく、それに加えて、出生後8週までに2回に分割可能な4週間を上限とする出生後育児休業(産後パパ育休)も取得可能となります。

短時間勤務制度(定時間制・フレックスタイム制選択可)
小学校4年生の年度末までの子どもの養育をしている社員は、一日の勤務時間を短縮することができます。

子の看護休暇
小学校4年生の年度末までの子どもが病気・ケガをした場合など、15分単位で年間10日間まで取得できます。

事業所内保育所「KIDS GARDEN」(日本橋・品川・平塚)
保育所待機児童への支援策として事業所内保育所を設置しています。
■常時保育:入園待ちの生後57日目~就学前の社員の児童が入所できます。
■一時保育:普段預けている保育園・幼稚園が休みの場合などに利用できます。

ベビーシッターサービスの利用支援
外部の専門会社と提携し、ベビーシッターサービスの利用料の一部を補助しています。

その他、円滑な休業と復職のための育児支援面談制度や育児支援窓口の設置や復職支援セミナーの実施、仕事と育児の両立支援ホームページの運用、配偶者出産時の育児特別休暇(5日間)など、社員の子育てを支援するさまざまな制度を設けています。

介護支援

介護によって離職することなく、安心して働き続けられる環境づくりを進めています。「介護支援に関するe-learning」の実施や、介護に不安を抱える社員を対象とした「外部専門家による個別相談会」も毎年実施しています。2020年度から2021年度にかけて、全社員を対象とした介護に関するアンケート実施に加え、希望者との面談を実施し、社員が抱える介護に関する不安事由を把握し、それに基づき、2022年度には社員の介護リテラシーを向上するために「仕事と介護の両立支援オンラインプログラム」を全社員対象に導入しました。

介護休業
要介護状態にある対象家族1人につき、通算1年まで取得することができます。

短時間勤務制度(定時間制・フレックスタイム制選択可)
要介護状態にある対象家族を介護する社員は、一日の勤務時間を短縮することができます。

介護休暇
家族の介護を行う場合、15分単位で年間10日間まで取得できます。

介護相談・介護代行サービスの利用支援
相談受付や介護代行サービスを提供する外部の専門会社と提携しています。

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