日本は我が家! ドイツ出身でアメリカ在住のGeroldさんの日本愛

ドイツ出身のリーダーが語る。日本文化から学んだリーダーシップとチームワーク

2025年01月23日
Our People & Culture
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第一三共で、オンコロジー開発アセット&ポートフォリオマネジメントのバイスプレジデントとグローバルリードを務めるGerold Meinhardtさん(M.D., Ph.D.)。ドイツ出身で現在はアメリカ在住ですが、自分にとって「うち」だと言えるほど、日本に親近感を持っています。Geroldさんが、チームを率いるためのリーダーシップにも好影響を与えているという日本文化の魅力と、大好きな音楽とチームワークの共通点について語ります。

我が家だと思える場所。日本への想い

日本は生まれ故郷から離れた我が家だというGeroldさん

Geroldさんはかつて腫瘍内科医でしたが、製薬業界に入り臨床研究を極めたいと、医師の白衣を脱ぎ捨て、東京に本社を置くグローバル製薬企業、第一三共に入社しました。それ以降、2つの肝がん治療薬の開発に携わりながら、20回以上も日本を訪れることになります。

当初から日本に親近感を抱き、第一三共の社風にも何かの縁を感じていたというGeroldさん。

「人には生まれ故郷と関係なく、訪れたとたんに『ここは我が家だ』と明確に感じる場所があると友人から教わりました。私にとって日本は、まさにそんな場所です」その日本への想いは、入社から16年たった今も深まり続けているそうです。

全体やチームを重んじる。日本で培ったリーダーシップ

日本の美学に対する愛は、名所のミニチュアを作るほど

長年日本の同僚たちの仕事を目にしながらともに働いてきたGeroldさんは、日本的な仕事の進め方から様々な影響を受けてきました。それが目標に向かうためのリーダーシップやチーム作りの基盤にもなっています。

1つは、全体像に重きを置き、長期的な目標に注力して忍耐強く取り組む資質です。Geroldさんは、第一三共が独自のADC技術を確立することができたのもこの資質のおかげだと考えています。「創薬研究において、何かを開発し最適化するために十分な時間をチームに与えるやり方は非常に日本的です。こうしたマインドセットが、当社のADCパイプラインを生み出しました。ADC技術の最適化に割いた時間が、重要な要素となって研究の成果に結びついたのです」

チームの成功を重視する、強い共同体意識もチームの一体感につながります。「西欧諸国ではよく、個人で問題を解決した人が称賛されます。しかし日本では、成功はチームによってもたらされるもので、個人主義的な考え方はときに集団に害を及ぼす可能性もあると考えられています。」

そして、気配り、思慮深さ、思いやりに富む日本のリーダーシップも魅力です。表面下に熟慮と静寂、温情があふれていて、とても感激します。だからこそ多くの社員がキャリアを終えるまでその会社で勤めたいと思えるのでしょう」 Geroldさんはこの日本的なリーダーシップスタイルを採用することにより、自分のチームにとって「安心感と信頼感のある」環境を作ることができたと言います。

「リーダーは透明性と誠実さの精神を育むとともに、弱さも見せなければなりません。そのためには、自分の間違いを認め、進んで自らの考えや立場を改める姿勢を示す必要があります」

そうして築き上げたチームの成果が表れた瞬間を、Geroldさんはこう振り返ります。「2022年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で私たちのデータを発表した際にスタンディングオベーションを受けたこと、そして、皆で肩を並べて喜び合ったその瞬間はきっと忘れません」

  • ADC: Antibody Drug Conjugate(抗体薬物複合体)の略。抗体にリンカーと呼ばれる部分を介して化学療法剤であるペイロードを結合したもの

一人ひとりが反応しあい、大きなものを生み出す

バンドで演奏する時も、医薬品を創出する時も、
常にチームワークを大事にしています

ミュンヘンで暮らしていたころ、ローリングストーンズのトリビュートバンドでベースを担当していたGeroldさんは、根っからの音楽好きでもあります。

「バンドで演奏するときは、仲間たちで作った空間で起きていることにただ耳を傾け、それに反応します。より大きな何かの一部になるというこの感覚は、いつも私を禅にも似た世界へと導きます。」

それはチームで働くときも同じだと言います。 「理想的な職場環境では、チームメンバーが団結し、物事があるべきところに収まり、全員が自分のするべきことを知っています。お互いに反応し合うことで、より大きな何かが生まれるのです」

音楽は今もGeroldさんの生活の一部となっていて、ギターやベース、ドラムセット、ピアノ、キーボードがある自宅スタジオで曲を作り演奏しています。そして出張時にも、持ち運べるギターとキーボードを忘れることはありません。

日本を「うち」だというGeroldさん。仕事とチームに対する真摯な想いと情熱はどこに行っても変わりません。

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