2017年8月に第一三共へ入社した河崎徳人さん。研究統括部ディスカバリー第二研究所で、オンコロジー領域の研究に携わっています。欧米のアカデミア(公的研究機関)で免疫に関する研究をした後、より患者さんに近いところで経験を活かしたいと、創薬にチャレンジすることを決意。アカデミアから企業にフィールドを変えて活躍する河崎さんに第一三共で創薬研究を行うやりがいを聞きました。
アカデミアから第一三共へ。抗がん剤の創薬に免疫研究を役立てたい
大学院で博士号を取得後、アメリカとイギリスのアカデミア(公的研究機関)にて免疫に関する研究を約9年継続。次のキャリアを考えていた時に、オンコロジー領域の研究に強みを持つ第一三共が目に留まりました。
元々オンコロジー領域に興味があったことに加え、今まで自身が行ってきた免疫の研究が活かせるのではないかと考え、入社しました。最先端のサイエンスを駆使し、革新的な治療法を開発することで、患者さんの生活を改善できる可能性があることがすごく魅力的でした。
社内のエキスパートとコラボレーションして創薬を目指す
現在は、モダリティを活用した次世代抗がん薬の創出を目指して薬理研究チームでチームリーダーを務めています。
入社後の3年間は、初期の創薬研究をしていて、薬の種となる物質に関する情報を集め、それらが創薬につながる可能性を探索していました。創薬は1人で全てをやるわけではなく、多くの人の協力を得ながら進めていく仕事です。私自身は、アカデミア研究を基に薬のアイデアを提案できるものの、それを化合物や抗体など具体的な薬にするノウハウは持っていませんでした。そのため、社内のエキスパートの助けを借りてアイデアを具現化し、薬としての効果を評価してきました。
最近ではより複雑なモダリティにも挑戦しています。これまでよりもさらに高度な専門性が必要なことから、薬をデザインしている部門のエキスパート達と常にコラボレーションしています。第一三共には、知恵を出し合い刺激を受けながら目標に向かう環境が整っています。
失敗を恐れずに研究できる環境がある
私のアカデミア時代の友人の受け売りですが、研究は英語で言うと、「Research」で、「Re(再び)」と「Search(調べる)」の組み合わせです。経験上、研究はほとんど失敗するものですが、その中で次の仮説を立て、再度研究を積み重ねることが大切になります。
第一三共では、失敗を恐れずチャレンジできる環境があるので、どんどん「Research」していこうという姿勢になれます。こうした研究のプロセスをチームで試行錯誤しながら進め、ディスカッションを重ねていく中で、チームで立てた仮説が上手くいったときは嬉しくてたまらないです。
コミュニケーションで乗り越える組織
コミュニケーションは、部所間の調整や、対立した意見が出た時に乗り越える際に必要なスキルです。
例えば、前臨床段階にある薬の薬理研究を担当していた時の話ですが、抗がん剤の開発プロジェクトには我々薬理研究チームの他に、開発、薬事、安全性、製造、マーケティングなど、社内の様々な部所の様々な立場のメンバーが参加していて、意見がまとまりにくいことがあります。さらに、グローバルメンバーを含む会議では、文化的に異なるバックグラウンドを持つメンバーとの議論が行われるため、意見の調整や理解を深めることが一層難しくなります。
ただ、全員が患者さんに薬をいち早く届けたいという共通の目標を持っているので、そこを意識してコミュニケーションをとることで議論がまとまっていきました。第一三共には、意見が合わないことがあっても、互いにリスペクトしながら、乗り越えられる柔軟性を持つ人がたくさんいます。
より創薬研究の知見を深めるキャリアを描く
創薬研究には大きく分けて3つのステップがあります。薬の種を見つけてくるステップ、見つけた種を磨いて様々な基準のもとに評価して候補薬として仕上げるステップ、臨床試験において科学面からサポートするステップです。
私の場合、幸いにも既に2つのステップを経験しました。現在は3つ目のステップに取り掛かっており、創薬研究者としてより一層成長し、患者さんに薬を届けたいと思っています。
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