2023年9月に第一三共に入社した新留弘之さん。約15年間、航空会社の人事やコンサルティング会社で経験を積み、現在はサステナビリティ部企画グループで活躍しています。入社直後より、第一三共ヨーロッパのEU規制対応の一環として、第一三共グループ全体のサステナビリティ情報開示のプロジェクトを率いています。開示に向けて様々な部所と協働する日々で感じる第一三共の魅力を聞きました。
中長期の企業価値に貢献する「非財務」にじっくり携わっていきたい
「非財務資本・価値」とは、聞きなれない方も多いかもしれませんが、人的資本・知的資本といった企業価値創出につながる財務面以外の資本・価値のことです。「非財務資本・価値」は可視化しづらいですが、自社独自の強みが凝縮される部分であり、中長期的な企業成長を支える重要な要素だと考えています。航空会社での人事の仕事を通して、人が中長期の会社の成長を形づくることを実感しました。その後のコンサルティング会社でより広範な非財務戦略策定に携わる中で、中長期的な会社の強みの構築に貢献できるところに面白さを感じ、戦略だけでなく実行までより深く携わりたいと思っていました。
第一三共に入社を決めたのも、中長期的なビジョンを描いていて、企業として信念をもってやり切るという姿勢に魅力を感じたからです。創薬は、研究から製品化まで9~17年かかるといわれています。明日明後日の売り上げを考えるよりも、10年、20年という長期的な目線で価値を生み出そうと事業に取り組んでいる第一三共で、同じく長い目線で事業を考える非財務の仕事に取り組みたいと思いました。
第一三共の強みを明確にするために
EUでは、企業のサステナビリティ情報開示の強化を目的としたCSRD*1 (Corporate Sustainability Reporting Directive)が2023年1月に発効されました。CSRDでは財務報告と同時にサステナビリティ情報開示が求められ、情報開示の厳格性が増します。EUにグループ会社を持つ第一三共では、2026年の情報開示にむけて、多くの部所と連携しながらグループ全体の情報を集約していきます。
例えば、社員のダイバーシティや人材投資の充実度等の人的な観点や、温室効果ガスの排出量といった環境的な観点など、これまで以上に広範なトピックについての情報を開示することになります。この開示は社会的要請もありますが、会社として自社と社会のサステナビリティを踏まえたときに重要なトピックを改めて認識し取り組む機会になると考えています。
- *1CSRD:Corporate Sustainability Reporting Directiveの略、日本語では「企業サステナビリティ報告指令」。EU域内の一定の規模の企業、および域内に一定の規模の子会社を有する企業を対象に、サステナビリティ情報の開示を求める指令
経営層、投資家に近い場所で第一三共の将来を考える
その他の重要な業務として、機関投資家や証券アナリストを対象にしたESG*2説明会の開催があります。初めてのアサインながら、どういう会にするのか、社内の誰に登壇して話してもらうのか、といった初期段階から携わりました。
今回特に力を入れた点は、昨年度の投資家の皆さんからの要望を踏まえ、人材育成や組織体制など人的資本に関する説明を充実させたことです。開催に向けて、経営陣と直接ディスカッションをしながら詳細を決めていきましたが、経営陣の人材に対する深い考え方を知ることができた貴重な経験になりました。
- *2ESG:Environment(環境)Social(社会)Governance(ガバナンス、企業統治)を考慮した投資活動や経営・事業活動
協力的な職場。多様な仕事で業務の幅も広がる
非財務情報に関わる部所は、ドイツやアメリカの工場を管轄する部所やコンプライアンス関連まで多岐にわたります。すでに存在する情報を提供してもらうだけではなく、各部所のサステナビリティに関するデータ収集を強化する施策も実施しています。横断的に巻き込まなければならないので難しいこともありますが、関わる方が皆さんフレンドリーで、入社したばかりであることを意識せず仕事に取り組めています。
また、入社前は製薬会社にはなんとなく堅いイメージがあり、仕事がサイロ化しているのでは、と考えていました。しかし、実際は思った以上にいろいろな仕事があり、チャレンジさせてもらえます。自身の成長の機会が得られている環境に良い意味でのギャップを感じています。第一三共はSX銘柄*32024に選定されましたが、この応募プロセスに入社直後から携われたのもありがたかったです。
- *3SX銘柄:SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を通じて持続的に成長原資を生み出す力を高め、企業価値向上を実現する先進的企業群を選定する。「SX銘柄2024」には15社が選ばれた。
グローバル化していく中で会社の成長を実感
まだ入社して1年弱ですが、社員数がどんどん増え、会社の成長とグローバル化を肌で感じています。現在取り組んでいるCSRDのプロジェクトもグローバルなメンバーと連携して進めています。
私自身海外で経営学修士を取得し、外国語でのコミュニケーションは経験がありましたが、様々なバックグランドを持つ社員が集まる中で会議をどう円滑に進めるかは、毎回頭を悩ませています。今でも日々のグローバルミーティングは緊張しますが、その分上手くいったときの達成感は大きいです。CSRD自体が新しい法制度であり、未知な点も多いですが、全社での体制構築が必要なチャレンジングなプロジェクトであり、とても面白いです。
非財務での強みを見える化し、企業の成長に繋げる
第一三共の強みが何かを考えると、やはり“人の力”だと思います。
社員一人ひとりがパーパス実現に向けて信念を持っていて、その強い信念が現在の革新的なパイプラインに繋がっているのだと思います。
私も会社にとって将来強みになりそうなものを探し、非財務的観点から貢献していきたいです。
第一三共株式会社の採用情報やサステナビリティに関する情報は、以下のリンクからご覧ください。