幼い頃の環境が育んだ誠実さと信頼
2024年4月に第一三共グループ初のチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)に任命されたMatt Allegrucciさん。人生において、誠実さと信頼は常に中心的なテーマです。
ペンシルベニア州東部にある実家の馬牧場で育ち、自身の父親が情熱的かつ献身的に仕事に取り組み、責任を持って動物の世話と訓練をする姿を目の当たりにしてきました。
「ビジネスや対人関係における信頼の重要性は、幼い頃からたたき込まれました。父や周りの人たちは、誠実さや信頼、能力(の高さ)を大事にしていました。」
「患者さん、医療関係者、そして私たちの事業に関係するすべての人々からの信頼は、当社グループの長期的な成長とミッション実現にとって不可欠です」
~Matt Allegrucci、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(COO)~
幼少期からの学びである「信頼」を仕事の中心に据え、法務およびコンプライアンスのプロフェッショナルとして築いてきたキャリア。第一三共の米国R&D組織専任社内弁護士から始まった、当社グループでの20年以上の経験の中で、米国法務部門をリードする など様々なチャレンジを、革新的な精神で乗り越え、今日の米国コンプライアンス部門とプログラムを確立した実績あるリーダーとなりました。
Mattさんは今、自身の経験と学び、そして実行力を以て、これまでで最大の挑戦に臨んでいます。それは、当社グループががんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業へと変貌することを支える、グローバルなコンプライアンスおよびリスク管理体制とプログラムを構築することです。
「第一三共グループが、その開発パイプラインを通じて、世界中の多くの患者さんの健康で豊かな生活に貢献し続ける中で、最もエキサイティングな時期を迎えています 。当社グループのさらなる成長に貢献できる機会に感謝し、高い倫理基準を持つグローバル企業のニーズを満たす、世界トップクラスのコンプライアンス・プログラムを作り上げるため、チームメンバーとともに挑戦していきます」と、Mattさんは決意を語ります。
Mattさんの現在の責任範囲 には、グローバル戦略とチームの構築、一貫したグローバルスタンダードの確立、グローバルコンプライアンスとリスクマネジメント活動を事業のあらゆる側面にシームレスに統合することなどが含まれます。その目的は、当社グループが事業を展開する国・地域において適用される法律や規制を遵守し、グループのコア・バリューであるInnovation、Integrity、Accountabilityにしっかりと従って経営されるようにすることです。
「患者さん、医療関係者、そして私たちの事業に関係するすべての人々からの信頼は、当社グループの長期的な成長とミッション実現にとって不可欠です」とMattさんは続けます。
「私の経験から、当社グループは、高い倫理観を持つリーダーと、正しく行動したいと考える社員がいる組織だと感じています。そこにおけるコンプライアンスチームの役割は、組織のメンバーが明確なグローバル基準の下、コンプライアンス遵守に一貫して取り組むことで、ステークホルダーからの信頼を確実に得ることの支援だと考えています」。
グローバルなコンプライアンス文化の確立


コンプライアンス文化を醸成してきた社内研修動画の舞台裏
実はMattさんは、米国組織やコンプライアンス関連のメンバー以外にも、以前から社内ではよく知られた存在です。なぜなら、コンプライアンス文化醸成の創造的なアプロ―チの一環として作成している、寸劇を取り入れた研修動画に自らもキャストとして参加しているからです。
「数年前に始めたこの研修動画は、撮影から制作まですべて社内で行い、研修に楽しさと魅力的な一面を提供できているのではないかと思います。これをグローバルでも取り入れたいと思っています」。
「研修動画を通じて、患者さんのためのミッション実現を目指して誠実な経営を行う、信頼できる会社であることを保証するためには、社員一人一人がしっかりと自らの役割を果たさなければならないことを皆さんに理解してほしいのです」とMattさんは語気を強めます。
Mattさんとそのチームは、本格的なグローバル・コンプライアンス・システム導入にあたり、米国だけでなく世界各地域の社員をさらにサポートできることを楽しみにしているそうです。
「20年以上前、就職面接でSankyo Pharma Inc.(第一三共統合前の米国組織の一つ)に足を踏み入れたとき、ここが私のいるべき場所だと直感しました」とMattさんは当時を振り返ります。「その後、会社がどのくらい成長、進化し、私がどれほど多くのチャンスとサポートを得ることになるのか、当時は想像もできませんでした。多くの患者さんの人生に貢献できる、この革新的な組織の一員であることに感謝しています」。


オフの日にアウトドアをエンジョイするMattさん
オンとオフのバランスを取って、人生を楽しく
オフの日には、アウトドア派のMattさん。自転車やカヤックなどのアクティビティ、写真、そして旅行も好きだそうです。新たにCCOに就任したことから頻繁に日本を訪れるようになり、日本語の勉強も始めました。
そんなMattさんの、日本語にまつわる微笑ましいエピソードを一つご紹介します。


Mattさんの猫 「Niji」
猫を飼い始めた時、カラフルな毛並みが特徴的だったので「Rainbow」という名前にしたいと思い、日本人の同僚に「Rainbow」の日本語を尋ねたところ、「Niji」だと教わったので、早速「Niji」と名付けました。ところがある日の日本語クラスで「Niji」には「虹」だけではなく「二時」という意味があることを知りました。その時、もしかすると自分のイントネーションは違うのではないか、と気づいたそうです。Mattさんが呼ぶときのイントネーションは後ろの音が下がる「Niji」。それは、Two o’clock (二時)だね」と日本人の同僚が教えてくれました。友人たちにその話をすると「Two o’clock!」と笑顔で呼んでくれるようになり、今ではあえて二時のイントネーションで「Niji」と呼ぶことが好きなのだそうです。
「オンもオフも楽しむため、仕事とのバランスを取るよう努力しています。誰もがこの2つのバランスを取って、人生を楽しむべきだと思います」と笑顔で語りました。