マナウス市の「Mulheres Amigas」チームのメンバー

女性たちへの無償のがん検診を通じて、ブラジルの社会と人々の健康維持に貢献。—アマゾン地域での乳がんスクリーニング—結果報告

2023年10月12日
Patient Centricity
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2022年5月末にご紹介した、第一三共ブラジルによる「Mulheres Amigas - Temporada Amazônia(女性の味方 - アマゾンシーズン)」のキャンペーン。「女性の公平性と多様性への道を切り開く」ことを目指し、約3か月間、トラックでブラジル6都市を回り、女性たちに無償で乳がんスクリーニング検査を行いました。(詳しくはこちら) 今回は本活動の結果を詳しくお伝えします。

マンモグラフィー検査対象年齢に対する気づき

このキャンペーンは、第一三共ブラジルが考案し、非営利団体(NPO)「Américas Amigas」とともに実施しました。マンモグラフィー装置を積んだトラックが95日以上にわたってアマゾン地域の6都市を回り、総計4,742人に検査と診察を行いました。

 

95日以上にわたりアマゾン地域の6都市をめぐった行程

マンモグラフィー画像を解析する医師


その間に実施されたマンモグラフィー検査回数は、予想を22%上回る4,374回。受診者のうち、全体の47%を40~49歳の女性が占めました。ブラジルの公的医療制度ではマンモグラフィー検査の対象を50~69歳の女性としていることを考えると、これは見過ごすことのできない数字です。ちなみに、50~59歳の受診者は全体の32%、60~69歳は15%、70歳以上は5%でした。

取り組みの認知度を高めるため、トラックには装飾が施されました

患者さんへの細やかな対応に加え、医療従事者へのアプローチも

トラック内では事前に予約していた方以外にも、参加要件(年齢、社会経済的状況など)を満たす方が来た場合には、男性の方も含めて予定外の対応を実施。また、乳房用超音波検査なども実施し、異常を示す結果が出た場合にはさらに詳しい検査を受けられるよう、提携するラボやクリニックを紹介しました。

北部のパラー州・ベレン市では、現地の看護師と医療関係者へのトレーニングを行いました。乳がんとその兆候や症状、リスク因子、医療アクセスについて学んでもらうだけでなく、しこりを実際に探す練習やラボや専門医紹介ガイドラインの確認といった実践的な内容にまで踏み込むことで、大きな成功を収めました。

このキャンペーンのプロジェクトビデオは、1,000人以上が参加した2022年10月開催の国際対がん連合の会議で紹介されました。

ブラジルの社会と健康に寄与する決意を新たに

ベレン市で開催された、トレーニングの様子

このキャンペーンの最後の訪問地、クイアバ(中西部のマットグロッソ州の州都)のある患者さんは、次のように話してくれました。「私は早期のがんを見つけてもらい、腫瘍摘出手術を無事に終えることができました。このプロジェクトがなかったら発見が遅れ、苦しく難しい状態になり、診断にも治療方法の決定にも時間を要したに違いありません。このキャンペーンは多くの人々の命を守ってくれる素晴らしい取り組みだと思います。心から感謝しています!」

「Mulheres Amigas - Temporada Amazônia」キャンペーンと乳がんスクリーニング検査によって、33人の女性ががんと診断されました。この活動を通して、第一三共ブラジルは「患者さん中心」の考え方を形にし、弱い立場にある女性に乳がんの発見と診断の機会を無償で提供することができ、また、「ブラジルの社会と健康の持続可能な発展にこれからも寄与していく」という決意を新たにすることができました。

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