2021年4月、第一三共は第5期中期(2021-2025年度)経営計画と2030年ビジョン「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」を発表しました。
第一三共グループのマザーマーケットである日本において、業界No.1の医療貢献を目指す意気込みを、日本事業ユニット(JBU、Japan Business Unitの略)長の木村さんが語ります。
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Nippon 戦略で医療貢献に邁進
2021年度、第一三共グループのグローバル化の加速に向け、事業ユニット間や地域間の連携をしやすくするため、新たに日本事業ユニット(JBU)を設立しました。
国内ではこれまで日本独自のマネジメント体制をとっていましたが、今回、海外と同じマネジメント体制として、日本国内の営業機能、マーケティング機能、メディカルアフェアーズ機能を統合しました。
JBUならではの「アイデンティティ」を確立するとともに、分かりやすく覚えやすい指針をつくろうとアイデアを練り、日本市場でNo.1であり続けるために重要な5つのキーワードから「Nippon」戦略を掲げました。
New standard: |
New Standardの創出・確立・普及による製品価値最大化 |
Insight: |
真の医療ニーズの探求と充足による医療貢献 |
Productive: |
DX推進による効率的・効果的な業務の推進 |
Primary: |
幅広い製品ラインナップを活かした医療貢献による維持拡大 |
Oncology: |
プライマリ領域での強みを活かしたオンコロジー(がん)領域でのプレゼンス確立 |
新しいマネジメント体制の元、イノベーティブ医薬品事業、ワクチン事業、後発品事業と包括的に事業を展開することで、日本の治療・予防や医療費軽減などあらゆる顧客ニーズに的確に対応し、“Nippon”を合言葉に日本医療へ貢献してまいります。
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第一三共の国内医薬品事業は、イノベーティブ医薬品、ワクチン事業、
後発医薬品を包括的に展開しています。
プライマリ領域・がん領域の両輪で国内No.1カンパニーを目指す
第一三共が医療に貢献し国内No.1カンパニーであり続けるためには、従来から展開しているプライマリ領域と同様に、がん領域でも高い評価とNo.1の信頼を獲得していかなければならないと考えています。プライマリ領域とがん領域の両輪をうまく回すことで、さまざまな疾患を抱えた患者さんのトータルケアを実現していきます。
また、COVID-19の影響により医療関係者の皆様への情報提供のあり方も日々変化をしておりますが、これまでに培った信頼を強みとして、適時適切な情報提供を行ってまいります。
「患者さんよし」の医療貢献を志して
第5期中計では「Patient Centric Mindset」が打ち出されましたが、当社のMR(メディカル・リプレゼンタティブ
*1)が医療現場から高い評価を受け続けているのは、まさに「患者さんを中心とした活動」を以前より徹底してきたからであると考えています。「この薬は~」と製品を主語にするのではなく、患者さんを主語にすることで、より患者さんの立場に立って、医療関係者が持つ個々の具体的な患者さんのイメージに合わせた情報提供活動が行えます。JBU には医療関係者からの声が集まる製品情報センターの他、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン
*2)、PM(プロダクト・マネージャー)など医療機関との接点を持つ多様なメンバーが集まっていますので、MRとの情報連携を通じてシナジー効果を発揮できればと期待を寄せています。
私自身も、学生の時から「人の健康に広く貢献したい」という志を持ち続けてきました。入社以来ずっと、営業部門で仕事をしてきましたが、MRとして多くの医療関係者に接する中で痛感したのは、何よりも大切な「命」を守る仕事をしている医療関係者に対して、MRが自社の利益だけを追求して接していては、決して良い関係は成り立たない。根底に『患者さんの病気を治したい』という、医療関係者の皆様と同じ強い想いが必要だということです。
DXやAIの活用は今やなくてはならないものですが、最終的に評価を分けるのは「人の力」だと私は考えています。医療関係者と会話をして患者さん一人ひとりに合った情報を届けるというのは非常に高度なことですが、これはAIにはできないことです。第一三共のMRは知識を身に付けてレベルアップを図り、あらゆる医療ニーズに応えることで必要とされ続ける存在になれるよう、日々活動しています。