オンラインで実施した患者さんとの交流セッション(DIA日本年会2020)
COMPASSメンバー 第一三共株式会社 研究開発本部
COMPASSとは、「患者志向の創薬」実現を推進する第一三共の取り組みで、2014年に品川研究開発センターを中心とした研究開発本部内の組織横断的な活動としてスタートしました。活動名のCOMPASSは、“Compassion for Patients Strategy”に由来し、患者さんに求められる医薬品を創出するための羅針盤(Compass)という意味が込められています。 活動は大きく分けて2つで、1つ目は患者さんによる講演や社員との対話セッションを通じてお互いのことを知り合う交流活動、もう1つは医療現場の体験から知る活動で、私たちが医療現場を訪問し、臨床現場のニーズを理解するとともに、製薬企業人として自らが果たすべき役割を再認識する機会となっています。 2020年度の活動 患者さんの声を聴くワークショップを企画
DIA日本年会2020で描かれた先天代謝異常症患者さんのiPJM
Graphic Facilitation by しごと総研・山田夏子さん
第2部セッション終了後にCOMPASSメンバーと参加者で撮影
参加者へのアンケートでは、「病気という現象に目を向けがちだったのが、その病気にかかった患者さんが何に困るのかというところまでより意識できるようになった」という声を多くいただきました。また、「違う立場の人たちとしっかり話し合うことで、日常の業務の中では気づけなかったことにも気づけた」という意見もあり、企画の目的がうまく達成されたと感じています。他社から参加いただいた方から、「自社でもこのような取り組みをしてみたい」と連絡をいただいたのも印象的でした。 さらに患者さんのご家族の方からは、「こんな風に製薬企業が向き合ってくれるのは初めての体験で、聞いてもらえてよかった」という意見や、「今後も自身の病気について理解いただくために発信していきたい」という声をいただきました。“話しやすい雰囲気づくり”と“「自分ごと」として捉えること”を意識したことで、参加者全員が同じ目線で話せたのではないかと考えています。 患者さんの声を見て、感じ、その理解に努められたという点はもちろん、様々な立場にいる人が、何ができるか一緒に考えることができたという点で、今回のイベントは大きな意味がありました。社内だけでiPJM作成のイベントを実施していたいた時より、DIAへの参加によって社外の方々とも共有できたことでiPJMの意義がさらに広がったように感じています。 私たちは、COMPASSのような取り組みを通して育んできた患者さん目線のマインドや「患者さんの生活を支え、命を救いたい」という想いをイノベーションへの情熱にして、今後も活動を継続していきます。