2021年01月05日
研究開発情報

報道関係者各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部長 大沼 純一
TEL 03-6225-1126

がん治療用ウイルスG47Δ(DS-1647)の国内における製造販売承認申請について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、当社が東京大学医科学研究所 藤堂具紀教授(以下「藤堂教授」)と共同で開発しているがん治療用ウイルスG47Δ*1(一般名:teserpaturev*2、開発コード:DS-1647、以下「本品」)について、2020年12月28日、悪性神経膠腫*3に係る再生医療等製品製造販売承認申請を国内で行いましたので、お知らせいたします。

本申請は、藤堂教授が実施した膠芽腫*4(悪性神経膠腫の一種)の患者を対象とした国内第2相臨床試験(医師主導治験)の結果に基づくものです。国内第2相臨床試験は、主要評価項目である1年生存率の達成基準を満たしており、試験結果の詳細は、今後、藤堂教授が論文等で公表する予定です。

本品は、厚生労働省より悪性神経膠腫を対象として2016年2月に先駆け審査指定*5を受けるとともに、2017年7月に希少疾病用再生医療等製品*6の指定を受けています。

 当社は、アンメット・メディカル・ニーズが高い悪性神経膠腫における新たな治療の選択肢を提供することで、患者さんに貢献できるものと期待しております。

 

 

以 上

 *1 G47Δについて
G47Δは、藤堂教授らにより創製されたもので、がん細胞でのみ増殖可能となるよう設計された人為的三重変異を有する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型(第三世代がん治療用単純ヘルペスウイルス1型)です。

*2 teserpaturevの参考字訳:テセルパツレブ

*3 悪性神経膠腫について
神経膠腫は神経細胞の支持組織であるグリア細胞から発生する原発性脳腫瘍で、中でも悪性度が高いgrade IIIとgrade IVは悪性神経膠腫と呼ばれ、罹患数は同2,800人程度と推定されます。

*4 膠芽腫について
神経膠腫の中で最も悪性度の高い(grade Ⅳ)腫瘍が膠芽腫と呼ばれています。

*5 先駆け審査指定制度について
先駆け審査指定制度とは、世界に先駆けて革新的医薬品や医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の日本での早期実用化を目指す「先駆けパッケージ戦略」(平成26年6月17日厚生労働省取りまとめ)の重点施策の1つで、生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して極めて高い有効性が期待される医薬品や再生医療等製品等を指定し、日本の患者さんに世界で最先端の治療薬を最も早く提供することを目指しています。開発早期の段階から一定の要件を満たす画期的な新薬等が指定され、薬事承認に係る相談・審査において優先的な取扱いがなされることとなっています。

*6 希少疾病用再生医療等製品の指定制度について
希少疾病用再生医療等製品は、医薬品医療機器法第77条の2 第1項に基づき、対象患者数が国内において5万人未満であること、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、薬事・食品衛生審議会の意見を参考にして、厚生労働大臣が指定するものです。医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことにより、国内では十分にその研究開発が進んでいない状況を踏まえ、安全かつ良質な再生医療等製品を一日も早く医療の現場に提供することを目的に、開発を支援・促進する制度です。また、税制措置、再審査期間の延長等の支援措置も与えられます。

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