弊社の100%子会社である三共株式会社(社長、池上康弘 以下、三共)は、KAI Pharmaceuticals, Inc.社(以下、KAI社)と同社が有するdelta-PKC阻害剤KAI-9803及び関連化合物の開発ならびに製造販売に関する契約を締結いたしま したので、お知らせします。
KAI-9803は現在、米国で、PhaseⅠ/Ⅱ試験の段階にあります。本契約締結に際し、三共はKAI社に2000万米ドルの契約金を支払います。
本契約により、三共は、今後のKAI-9803の開発を継承し、全世界での開発ならびに製造販売に関する独占的な権利を持ち、KAI社協力のもと本剤の開 発を進めます。KAI社は本剤の一部臨床試験に関するオプションを持つ他、本剤の北米における共同販促を行なう権利を持ちます。
KAI-9803は、冠動脈内に局所投与するペプチド化合物であり、心筋梗塞患者の冠動脈形成術(PCI)後の再灌流障害を抑制することにより梗塞サイズを縮小し、急性心筋梗塞に対する治療効果を発揮することが期待されます。
<KAI社概要>
・名 称: |
KAI Pharmaceutical Inc. |
・社 長: |
Steven James |
・所在地: |
米国 カリフォルニア州 |
・主業務: |
バイオテクノロジー企業で、ProteinKinaseC(PKC)のシグナル伝達の研究に入力している企業。 |
URL:www.kaipharmaceuticals.com |
<化合物概要>
delta- PKCは、活性化された状態でRACK(receptor for activated C-kinases)に結合し、細胞機能の発現に重要な役割を担っています。KAI-9803は、この結合を直接阻害するものです。このことにより、心筋 梗塞患者の冠動脈形成術(PCI)後の再灌流障害(再灌流することにより酸素フリーラジカルを発生させ、心筋細胞の壊死や不整脈などの障害を誘発しま す。)を抑制します。これにより梗塞サイズを縮小し、急性心筋梗塞や脳梗塞に対する治療効果を発揮することが期待されます。
以上