第一三共株式会社(以下、第一三共)とイーライリリー・アンド・カンパニー(以下、イーライリリー、本社:米国、インディアナ州 NYSE:LLY)は、ロンドンの欧州医薬品庁(EMEA: European Medicines Evaluation Agency)へ、2 月上旬にプラスグレルの欧州連合における販売承認申請(MAA:Marketing Authorization Application)を提出いたしましたので、お知らせいたします。
プラスグレルは、経皮的冠動脈形成術(PCI: percutaneous coronary intervention)を受けている急性冠症候群(ACS:acute coronary syndrome)患者のアテローム血栓性イベントの予防のために開発された、抗血小板剤です。なお、プラスグレルの新薬承認申請は、2007 年12 月26 日に米国食品医薬品庁(FDA)に提出されています。
販売承認申請は、非常に画期的なTRITON-TIMI 38 試験 を含む、複数の臨床試験のデータに基づいて提出されました。TRITON-TIMI 38 では、経皮的冠動脈形成術(PCI)を受けている急性冠症候群(ACS)患者13,608 人を対象に、アテローム血栓性イベントの軽減(「心血管死」、「非致死性心筋梗塞」、「非致死性脳卒中」の複合評価項目)においてクロピドグレル (Plavix®/Iscover®)と比較し、プラスグレルの安全性と有効性を評価しました。これらのデータは米国心臓協会学術大会で発表され、同時に 『The New England Journal of Medicine』2007 年11月号のオンライン版にも掲載されました。
第 一三共のグローバル研究開発の責任者であるジョン・アレキサンダー博士は「欧州医薬品庁へのプラスグレルの販売承認申請は、この新しい重要な治療方法を全 ヨーロッパの患者に提供するための法的承認を得るにあたって、価値ある一歩となります。心臓血管疾患は世界的に主要な死因となっており、我々は患者の治療 目標を改善するために、重要で新しい治療を得られるよう日々努力しています」と述べています。
心臓血管疾患は世界的な主要死因となっており、毎年1,670万人が死亡しています。また、毎年ヨーロッパでは80万人が急性冠症候群と呼ばれる急性心臓発作や不安定狭心症に苦しんでいます。(i),(ii)
プラスグレルについて
プ ラスグレルは、第一三共と宇部興産株式会社(コード番号:4208)が発見し、第一三共とイーライリリーが共同開発している経口抗血小板剤であり、まずは PCIを受けている急性冠症候群(ACS)患者への新たな治療法として開発されています。プラスグレルは、血小板表面でP2Y12 アデノシン二リン酸(ADP:adenosine diphosphate)受容体を遮断し、血小板の活性化および凝集を抑制します。抗血小板剤は、動脈硬化および心臓発作、脳卒中を引き起こす可能性のあ る血小板の凝集を防ぎます。
イーライリリーについて
イーライリリー・アンド・カンパニーは、技術革新を拠り所とする製薬業界の リーディングカンパニーです。全世界の自社研究所や提携する優れた研究機関からもたらされた最先端の研究成果を応用することで、ファースト・イン・クラス /ベスト・イン・クラスの製品ポートフォリオを構築しています。米国インディアナ州インディアナポリスに本社を構え、医薬品および医薬関連情報の提供を通 じ
て、世界の最も緊急性の高い医療ニーズに応えています。
Plavix(R)/Iscover(R) は、サノフィ・アベンティスの商標です。
(i) American Heart Association. Heart Disease and Stroke Statistics - 2006 Update. Dallas, TX. American
Heart Association.
(ii) Bertrand CURE study