第一三共グループのアスビオファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:横山誠一)は、先天性代謝異常治療薬「ビオプテン®(一般名:塩酸サプロプテリン)」について、「テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症」に対する効能追加承認を取得いたしましたのでお知らせします。
「ビオプテン®」は生体内に存在する天然型テトラヒドロビオプテリンを化学的な方法で高純度に合成し、製剤化したものです。「ビオプテン®」は、下記の先天的な遺伝子異常による高フェニルアラニン血症(血液中のフェニルアラニン濃度が上昇する代謝異常)患者において、血清フェニルアラニン値を是正します。
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現適応 |
追加適応 |
適応 |
異型高フェニルアラニン血症における血清フェニルアラニン値の低下※1 |
テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症における血清フェニルアラニン値の低下※2 |
疾患の原因 |
先天的な遺伝子異常(テトラヒドロビオプテリン生合成酵素遺伝子) |
先天的な遺伝子異常(フェニルアラニン水酸化酵素遺伝子) |
作用 |
高フェニルアラニン血症(血液中のフェニルアラニン濃度が上昇する代謝異常)において血清フェニルアラニン値を是正する |
承認 |
1992年3月 |
2008年7月 |
なお、「ビオプテン®」の販売につきましては、従来マルホ株式会社に販売委託しておりましたが、契約期間の満了に伴い2008年7月1日以降は第一三共株式会社に販売委託先を変更しております。
<お問合せ先> |
アスビオファーマ(株)経営企画部 |
Tel. 03 (3588) 9600 |
第一三共(株)コーポレートコミュニケーション部 |
Tel. 03 (6225) 1126 |
※1 ジヒドロビオプテリン合成酵素欠損、ジヒドロビオプテリン還元酵素欠損に基づく高フェニルアラニン血症(異型高フェニルアラニン血症)における血清フェニルアラニン値の低下
※2 テトラヒドロビオプテリン反応性フェニルアラニン水酸化酵素欠損に基づく高フェニルアラニン血症(テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症)における血清フェニルアラニン値の低下
参 考
<「ビオプテン®」について>
先天性代謝異常治療薬「ビオプテン®」は、サントリー株式会社医薬事業部(現、アスビオファーマ株式会社)が異型高フェニルアラニン血症を適応症として開発し1992年に発売した医薬品です。なお今回効能追加承認を受けた適応症は、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けています。「ビオプテン®」の2008年3月期の日本における年間薬価売上はおよそ10億円です。
<テトラヒドロビオプテリン反応性高フェニルアラニン血症について>
フェ ニルアラニン水酸化酵素の先天的な遺伝子異常である本疾患では、必須アミノ酸であるフェニルアラニンの代謝ができないため、血液中のフェニルアラニン濃度 が正常範囲に維持できない代謝異常を示します。出生後早期より治療を開始しなければ、体内に蓄積したフェニルアラニンにより、精神発達障害等の不可逆的な 中枢神経障害を引き起こします。これまで国内に治療薬はなく、フェニルアラニン摂取を制限する食事療法のみが行われておりましたが、長期にわたりタンパク 質の摂取を強く制限する等の食事管理が難しい患者さんもおられ、保護者の負担も大変な場合があると言われておりました。
1999年に「ビオプテン®」 の投与により血液中のフェニルアラニン濃度が正常化するサブタイプの症例が世界に先駆けて本邦での研究で確認され、その後の臨床研究で血液中のフェニルア ラニン濃度を正常範囲に長期的に維持できることも確認されております。本剤の継続投与により正常な発育を促すだけでなく、治療のコンプライアンスが改善さ れ、患児だけでなく保護者のQOLも向上することを期待しております。
<会社概要> |
アスビオファーマ株式会社 |
本 社 |
: |
東京都港区 |
代表取締役社長 |
: |
横山 誠一 |
発 足 |
: |
2002年12月 |
資 本 金 |
: |
110億円 |
株 主 構 成 |
: |
第一三共株式会社100% |
従 業 員 数 |
: |
317名(2008年3月末現在、グループ会社を含む) |
事 業 内 容 |
: |
医薬品の研究、開発、製造及び販売 |
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第一三共株式会社 |
本 社 |
: |
東京都中央区 |
代表取締役社長 |
: |
庄田 隆 |
設 立 |
: |
2005年9月 |
資 本 金 |
: |
500億円 |
従 業 員 数 |
: |
15,349名(連結:2008年3月末現在) |
事 業 内 容 |
: |
医療用医薬品の研究開発、製造、販売等 |
以上