当社は、ドイツ・ミュンヘン市にて開催中の欧州心臓病学会( European Society of Cardiology; ESC)年次学術集会において、現在、血栓塞栓症治療剤として開発中の経口抗Xa剤「DU-176b」の後期第二相臨床試験データを発表いたしましたので お知らせします。
本試験は、欧米において約900名の患者を対象に、股関節全置換術(THR)後の血栓塞栓症の予防効果を検証する目的で実施いたしました。その結果、同剤の15mgから90mgの1日1回投与に
より、用量依存的、かつ対照薬であるダルテパリンに対し優位な血栓塞栓症の発現抑制作用が認められました。一方、臨床的に重要な出血事象はダルテパリン群に対し著しい増加は見られませんでした。
なお当社は、2008年中に非弁膜性心房細動(NVAF)に伴なう血栓塞栓症患者を対象とした同剤の第三相臨床試験を開始すべく、準備を進めております。
*詳細については別紙をご参照願います。
(別紙)
1.DU-176b の概要
血管内での血液凝固に関与するXa 因子を直接阻害する作用メカニズムを持つ抗凝固剤であり、血栓塞栓症の治療および予防を目的として開発を進めている。
唯一の経口抗凝固剤とされるワルファリンと比較し、次のような特徴が期待される。
① 同等の抗血栓作用を示す
② 経口投与後の作用発現が速やか
③ 抗血栓効果と出血を助長する用量の乖離幅が大きい(広い治療域と低い出血性を示唆)
④ 薬効用量の個人差が小さい可能性
2.今回発表した後期第二相臨床試験の概要
①試験デザイン
・DU-176b の股関節全置換術(THR)後の血栓塞栓症(VTE)の予防効果を確認するために低分子ヘパリン(ダルテパリン)投与群と有効性・安全性を比較
・無作為、二重盲検比較試験
・投与期間:7~10 日間 登録患者数:903 名
②発表データの概要
・ 各群の患者背景に差は認められなかった
・ 成績の概要