当社が自社創製したインフルエンザ治療剤CS-8958の、本邦での第III相臨床試験を開始しましたので、お知らせいたします。
CS-8958は、長時間作用型のノイラミニダーゼ阻害剤(Long Acting Neuraminidase Inhibitor 、以下LANI)であり、1回の投与のみでの治療効果を期待しています。現在、本剤はインフルエンザウイルスの感染部位である肺、気管に直接作用する吸入 治療剤として開発中です。また、これまで実施した非臨床試験において、A型、B型のインフルエンザのみならず本剤のH5N1鳥インフルエンザウイルスに対 する効果も確認しております。
第Ⅲ相臨床試験は、A型またはB型のインフルエンザに感染した成人患者を対象に、1群数百人規模でCS-8958 の有効性と安全性を検討することを目的とし、CS-8958 1回吸入投与群とリン酸オセルタミビル75mgの1日2回、5日間連続投与群との二重盲検試験を実施します。
有効性評価項目は、投与後のインフルエンザ関連症状の改善と解熱効果であり、CS-8958 とリン酸オセルタミビル投与群との間で統計的に差がないこと(非劣性)を検証することを目的としています。安全性についても臨床使用上問題がないことを確認します。
当試験はMARVEL(Multinational Asian Clinical Research for Influenza Virus Extermination on LANI)と名づけられ、台湾、香港、韓国での国際共同試験として実施します。
また、小児を対象とした第II/III相試験も並行して実施し、小児に対する有効性と安全性を検討する予定です。