第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、経口抗Xa剤(抗凝固剤)エドキサバンに関し、日本と台湾で実施した膝関節全置換施行患者を対象とした術後静脈血栓塞栓症の予防効果を検証するための第3相臨床試験の結果を得ましたので、お知らせします。
本試験は、エドキサバンの30 mg 1日1回投与群の有効性の検証および安全性の検討を目的に、エノキサパリンナトリウムの2,000IU(*)1日2回投与(皮下注射)群を対照とした二重盲検比較試験として実施いたしました。その結果、有効性の主要な評価指標である静脈血栓塞栓症の予防効果について、エノキサパリンナトリウム投与群に対するエドキサバン投与群の非劣性が検証されました。また、安全性の評価指標である重大な出血および臨床的に重要な出血の発現率について、両群間で有意な差は認められませんでした。
なお、エドキサバンの術後静脈血栓塞栓症の予防については、日本国内で2010年中に製造販売承認申請を行なうべく準備を進めています。
*IU (International Unit): 薬理学で用いられる生体に対する効力で、その量を示す単位
(別紙)
1.エドキサバンの概要
血管内での血液凝固に関与する活性化第X因子を直接阻害する作用メカニズムを持つ経口抗凝固剤であり、血栓塞栓症の治療および予防を目的とした開発を進めています。
2.試験概要
目 的
膝関節全置換術施行患者を対象とし、エドキサバンの30 mg1日1回投与群(経口)の有効性の検証と安全性の検討
デザイン
エノキサパリンナトリウムの2,000IU 1日2回投与(皮下注射)を対照とした二重盲検比較試験
症例数 716例
投与期間 11~14日
有効性
膝関節置換術後の静脈血栓塞栓症の予防効果について、エドキサバン投与群のエノキサパリンナトリウム投与群に対する非劣性を検証
安全性
重大な出血および臨床的に重要な出血の発現率を比較