第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「第一三共」)とArQule社(本社:米国マサチューセッツ州)は、両社で共同開発中のc-Met阻害剤ARQ 197(一般名:tivantinib)の扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌(NSCLC:non-small cell lung cancer)を対象とする第3相臨床試験(MARQUEE試験*)の患者登録が終了しましたことをお知らせします。
* Met inhibitor ARQ 197 plus Erlotinib vs Erlotinib plus placebo in NSCLC
MARQUEE試験は、癌化学療法剤による前治療に不応となった扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌患者を対象とし、ARQ 197とエルロチニブ併用群とエルロチニブとプラセボ併用群を比較する無作為化二重盲検比較試験です。
本試験には、世界の200以上の施設で、約1,000名の患者が同試験に登録されております。主要評価項目は、割付された全患者における全生存期間を評価します。
肺癌は最も多い癌の1つであり[1]、毎年、世界中で新規に160万人以上が肺癌と診断され1、このうちの85%が非小細胞肺癌とされております2。肺癌の多くは非扁平上皮癌です2。
なお、第一三共とArQule社は、2008年12月、日本、中国(香港含む)、韓国、台湾を除く全世界でARQ 197の共同開発・商業化のライセンス契約を締結しております。
c-MetとARQ 197について
ARQ 197は、ArQule社が創製した経口投与可能な低分子のc-Met受容体チロシンキナーゼ選択的阻害剤です。
c-Met受容体のチロシンキナーゼが異常に亢進すると、癌細胞の増殖、生存、血管新生、浸潤、転移など様々な細胞内シグナル伝達に関与することが知られております。非臨床試験の結果から、ARQ 197は、ヒト癌細胞株のc-Met活性化を阻害し、複数のヒト腫瘍異種移植片に対して抗腫瘍活性を示すことが明らかとなっております。これまでの臨床試験では、ARQ 197投与による忍容性は良好であり、さまざまな癌腫で抗腫瘍効果や腫瘍の増大を抑える期間の延長が確認されております。
以 上
参照:
1.American Cancer Society. Global Cancer Facts & Figures 2nd Edition. http://www.cancer.org/acs/groups/content/@epidemiologysurveilance/documents/document/acspc-027766.pdf. Accessed April 11, 2012.
2.American Cancer Society. Non-Small Cell Lung Cancer. http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003115-pdf.pdf. Accessed April 11, 2012.
本資料は、英語で発表したプレスリリースを日本語に翻訳し、再編集したものです。本資料の正式言語は英語であり、内容および解釈については英語が優先することをご了承ください。本資料の原文(英語版)はhttps://www.daiichisankyo.com/でご確認いただくことができます。