第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、抗血小板剤プラスグレル塩酸塩(以下「プラスグレル」)の、経皮的冠動脈形成術(以下「PCI」(*1))を伴う虚血性心疾患の適応に関して、国内における製造販売承認申請を行いましたのでお知らせいたします。
本申請は、国内において実施したPCIを受ける急性冠症候群(以下「ACS」(*2))患者を対象とした第3相臨床試験(PRASFIT-ACS試験)(*3))、および、待機的PCI患者を対象とした第3相臨床試験(PRASFIT-Elective試験(*4))に基づくものです。
当社は、本適応の取得により虚血性心疾患領域へ新たな治療の選択肢を提供することで、日本の患者さんや医療関係者の皆様に貢献できるものと期待しております。
なお、国内では虚血性脳血管障害患者を対象とした第3相臨床試験も実施しており、2014年度に終了予定です。
プラスグレルについて
プラスグレルは、第一三共と宇部興産株式会社が創製した経口抗血小板剤であり、血小板の凝集を抑制することにより、動脈の狭窄・閉塞を防ぎます。
プラスグレルは、日本国内では第一三共と宇部興産が共同開発しております。海外では、第一三共とイーライ リリー・アンド・カンパニーによる共同開発のもと、2009年に欧米においてPCIを施行した急性冠症候群患者のアテローム血栓性イベント抑制を適応として承認され、現在、世界70ヶ国以上で承認されております(欧米等における製品名Efient®/Effient®)。
急性冠症候群(ACS)について
ACSとは、心筋梗塞や不安定狭心症のことです。これは、血管壁の粥腫(プラーク)が破裂することで血栓が生じ、部分的にあるいは完全に心臓への血液の供給を妨げることなどにより発症します。
待機的PCIについて
待機的PCIとは、冠動脈の狭窄及び閉塞が確認された安定狭心症や陳旧性心筋梗塞などの冠動脈疾患に対して予定的に実施するPCIのことです。心筋梗塞の中でも発症から1ヶ月以上経過したものを一般的に陳旧性心筋梗塞と呼びます。
*1 PCI: Percutaneous Coronary Intervention
*2 ACS:Acute Coronary Syndrome
*3 PRASFIT-ACS試験:
“PRASugrel Compared to Clopidogrel For Japanese PatIenTs with ACS Undergoing PCI”試験
*4 PRASFIT-Elective試験:
“PRASugrel For Japanese PatIenTs with Coronary Artery Disease Undergoing Elective PCI”試験。本試験の結果は、第22回日本心血管インターベンション治療学会;CVIT 2013 学術集会にて報告されます(7月11日(木)、16:30-18:00、Late Breaking Clinical Study, No.LB1-4)。
以 上