第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、抗血小板剤「エフィエントⓇ錠3.75mg/5mg」(一般名:プラスグレル塩酸塩)の経皮的冠動脈形成術(以下「PCI」*1)を伴う虚血性心疾患の適応に関して、国内における製造販売承認を取得しましたのでお知らせいたします。
本剤は、当社と宇部興産株式会社が創製した国産の経口抗血小板剤で、速やかに血小板の凝集を抑制することにより、早期より心血管イベント抑制作用を示します。国内においては、PCIを受ける急性冠症候群(以下「ACS」 *2)患者を対象とした第3相臨床試験(PRASFIT-ACS試験 *3)、および、待機的PCI患者を対象とした第3相臨床試験(PRASFIT-Elective試験 *4)に基づき、2013年6月に製造販売承認申請を行っておりました。
当社は、今回の承認取得により虚血性心疾患領域へ新たな治療の選択肢を提供することで、日本の患者さんや医療関係者の皆様に貢献できるものと期待しております。
なお海外では、当社とイーライ リリー・アンド・カンパニーによる共同開発のもと、2009年に欧米においてPCIを施行したACS患者のアテローム血栓性イベント抑制を適応症として承認を取得し、現在、世界70ヶ国以上で承認されております(欧米等における製品名:EfientⓇ/EffientⓇ)。
製品概要
販売名
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エフィエントⓇ錠3.75mg/5mg
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一般名(JAN)
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プラスグレル塩酸塩
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効能・効果
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経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される下記の虚血性心疾患
急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
安定狭心症、陳旧性心筋梗塞
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用法・用量
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通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20 mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75 mgを経口投与する。
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製造販売承認日
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2014年3月24日
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急性冠症候群(ACS)について
ACSとは、心筋梗塞や不安定狭心症のことです。これは、血管壁の粥腫(プラーク)が破裂することで血栓が生じ、部分的にあるいは完全に心臓への血液の供給を妨げることなどにより発症します。
待機的PCIについて
待機的PCIとは、冠動脈の狭窄および閉塞が確認された安定狭心症や陳旧性心筋梗塞などの冠動脈疾患に対して予定的に実施するPCIのことです。心筋梗塞の中でも発症から1ヶ月以上経過したものを一般的に陳旧性心筋梗塞と呼びます。
*1 PCI: Percutaneous Coronary Intervention
*2 ACS:Acute Coronary Syndrome
*3 PRASFIT-ACS試験:
“PRASugrel Compared to Clopidogrel For Japanese PatIenTs with ACS Undergoing PCI”試験
*4 PRASFIT-Elective試験:
“PRASugrel For Japanese PatIenTs with Coronary Artery Disease Undergoing Elective PCI”試験。