第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、本日、国内において抗凝固剤リクシアナⓇ錠15mg、同錠30mgについて「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」及び「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」の両適応症で効能追加承認を取得しましたので、お知らせいたします。
また同日リクシアナⓇ錠60mgの剤形追加承認も取得しましたので、併せてお知らせいたします。
リクシアナⓇ錠は、当社が創製した経口FXa阻害剤で、血管内で血液凝固に関与するFXa(活性化血液凝固第X因子)を選択的、可逆的かつ直接的に阻害します。
既に国内では、「下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」の適応で販売されていますが*1、2013年12月に国際共同第3相試験(ENGAGE AF-TIMI 48試験*2及びHokusai-VTE試験*3)の結果に基づき効能追加及び剤形追加の承認申請を行い、この度、上記2つの適応症で承認を取得しました。
なお、当社は、欧州及び米国においても、本年1月に承認申請を行っています。
当社は、リクシアナⓇ錠の適応拡大により更に多くの患者さんや医療関係者のニーズに応え、新たな選択肢を提供することで医療に貢献できるものと確信しております。
以上
製品概要
販売名
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リクシアナⓇ錠 15mg、同錠30mg
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一般名(JAN)
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エドキサバントシル酸塩水和物
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製造販売承認事項一部変更承認日
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2014年9月26日
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効能・効果
(変更内容下線部)
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・非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
・静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
・下記の下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制
膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術
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用法・用量
(変更内容下線部)
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・非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
・静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
通常、成人には、エドキサバンとして以下の用量を1日1回経口投与する。
体重60 kg 以下: 30 mg
体重60 kg 超: 60 mg なお、腎機能、併用薬に応じて1 日1 回30 mgに減量する。
・下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制
通常、成人には、エドキサバンとして30 mg を1 日1 回経口投与する。
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販売名
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リクシアナⓇ錠60mg
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一般名(JAN)
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エドキサバントシル酸塩水和物
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製造販売承認日
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2014年9月26日
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効能・効果
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・非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
・静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
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用法・用量
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・非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
・静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
通常、成人には、エドキサバンとして以下の用量を1日1回経口投与する。
体重60 kg 以下: 30 mg
体重60 kg 超: 60 mg なお、腎機能、併用薬に応じて1 日1 回30 mgに減量する。
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(参考)リクシアナⓇ錠 60mgについては、現在、薬価基準には収載されていません。
*1リクシアナⓇ錠15mg、同錠30mg(リクシアナⓇ錠60mgを除く)は、国内において下肢整形外科手術(膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術)施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制の適応で2011年7月より販売されています。
*2 ENGAGE AF-TIMI 48試験
目 的
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非弁膜症性心房細動患者を対象とし、エドキサバンを1日1回60 mg及び30 mg経口投与したときの有効性の検証と安全性の評価
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デザイン
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ワルファリンを対照とした無作為化、二重盲検比較試験
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症例数
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21,105例
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観察期間
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2.8年
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有効性
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脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制について、エドキサバンのワルファリンに対する非劣性が検証された。
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安全性
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重大な出血の発現について、エドキサバンのワルファリンに対する優越性が示された。
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心房細動について
心房細動は、心拍が速く不規則になり、脳卒中を引き起こすことのある病気であり、先進国では、約2.3~3.4%が罹患している疾患です。脳卒中は、世界中で死亡原因の2番目にあげられる疾患であり、毎年、約620万人が死亡します。心房細動に罹患していない患者に比べ、罹患患者では、脳卒中のリスクが3~5倍高くなります。心房細動に伴う脳卒中患者の脳卒中発症後30日における死亡率は、心房細動を伴わない患者の約2倍です。
*3 Hokusai-VTE試験
目 的
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急性症候性の深部静脈血栓症患者、または、肺血栓塞栓症患者における症候性静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制に関し、エドキサバンを1日1回60 mg経口投与したときの有効性の検証と安全性の評価
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デザイン
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ワルファリンを対照とした無作為化、二重盲検比較試験
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症例数
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8,292例
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観察期間
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12ヵ月
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有効性
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静脈血栓塞栓症の再発抑制について、エドキサバンのワルファリンに対する非劣性が検証された。
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安全性
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臨床的に重要な出血(重大な出血、もしくは重大ではないが臨床的に重要な出血)の発現についてエドキサバンのワルファリンに対する優越性が示された。
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静脈血栓塞栓症について
静脈血栓塞栓症は、深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症の総称です。深部静脈血栓症は、四肢(通常ふくらはぎまたは大腿)、骨盤などの深部静脈に血栓が形成される疾患です。肺血栓塞栓症は、深部静脈で形成された血栓の一部が遊離して肺に流れ、肺動脈を閉塞し、致死的状況をもたらす疾病です。