第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、米国において子会社の第一三共Inc.が、現地時間1月8日付で抗凝固剤SAVAYSA(TM)について「非弁膜症性心房細動患者における脳卒中及び全身性塞栓症のリスク低減」及び「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺塞栓症)の治療」の両適応症で米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得しましたので、お知らせいたします。
SAVAYSAは、当社が創製した経口FXa阻害剤で、血管内で血液凝固に関与するFXa(活性化血液凝固第X因子)を選択的、可逆的かつ直接的に阻害します。2014年1月に国際共同第3相試験(ENGAGE AF-TIMI 48試験*1及びHokusai-VTE試験*2)の結果に基づき米国で承認申請を行い、この度、上記2つの適応症で承認を取得しました。
今後発売準備を進め、第一三共Inc.が、2015年2月より営業活動を行う予定です。
当社グループは、SAVAYSAの承認により、多くの患者さんや医療関係者のニーズに応え、新たな選択肢を提供することで医療に貢献できるものと確信しております。
以上
製品概要
一般名(INN)
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edoxaban
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承認日
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2015年1月8日(米国時間)
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効能・効果
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非弁膜症性心房細動患者における脳卒中及び全身性塞栓症のリスク低減
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用法・用量
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クレアチニンクリアランス(CrCl) 50超95以下(mL/min)の患者には、60 mgを1日1回経口投与する。CrCl 95超(mL/min)の患者には使用しない。CrCl 15以上50以下(mL/min)の患者には 30 mgを1日1回経口投与する。
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*1 ENGAGE AF-TIMI 48試験
目 的
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非弁膜症性心房細動患者を対象とし、エドキサバンを1日1回60 mg及び
30 mg経口投与したときの有効性の検証と安全性の評価
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デザイン
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ワルファリンを対照とした無作為化、二重盲検比較試験
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症例数
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21,105例
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観察期間
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2.8年
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有効性
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脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制について、エドキサバンのワルファリン
に対する非劣性が検証された。
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安全性
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重大な出血の発現について、エドキサバンのワルファリンに対する優越性が
示された。
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心房細動について
心房細動は、心拍が速く不規則になるため、心房の中で血栓ができやすくなり、血栓が血流とともに脳に流れることで脳卒中を引き起こすことがあります。先進国では、約2.3~3.4%が罹患しています。脳卒中は、世界中で死亡原因の2番目にあげられる疾患であり、毎年、約620万人が死亡します。心房細動に罹患している人は、罹患していない人に比べ、脳卒中のリスクが3~5倍高くなります。心房細動に伴う脳卒中患者の脳卒中発症後30日における死亡率は、心房細動を伴わない患者の約2倍です。
製品概要
一般名(INN)
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edoxaban
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承認日
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2015年1月8日(米国時間)
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効能・効果
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非経口の抗凝固剤投与(5~10日間)後の静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺塞栓症)の治療
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用法・用量
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60 mgを1日1回経口投与する。
CrCl 15以上50以下(mL/min)の患者、体重60 kg以下の患者又は特定のP糖蛋白阻害剤を併用している患者には30 mgを1日1回経口投与する。
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*2 Hokusai-VTE試験
目 的
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急性症候性の深部静脈血栓症患者、または、肺塞栓症患者における
症候性静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制に関し、エドキサバンを1日
1回60 mg経口投与したときの有効性の検証と安全性の評価
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デザイン
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ワルファリンを対照とした無作為化、二重盲検比較試験
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症例数
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8,292例
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観察期間
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12ヵ月
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有効性
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静脈血栓塞栓症の再発抑制について、エドキサバンのワルファリンに対する非劣性が検証された。
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安全性
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臨床的に重要な出血(重大な出血、もしくは重大ではないが臨床的に重要な出血)の発現についてエドキサバンのワルファリンに対する優越性が示された。
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静脈血栓塞栓症について
静脈血栓塞栓症は、深部静脈血栓症と肺塞栓症の総称です。深部静脈血栓症は、四肢(通常ふくらはぎまたは大腿)、骨盤などの深部静脈に血栓が形成される疾患です。肺塞栓症は、深部静脈で形成された血栓の一部が遊離して肺に流れ、肺動脈を閉塞し、致死的状況をもたらす疾患です。