第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、米国における多施設共同乳がん術前化学療法第2相臨床試験(以下「I-SPY2 TRIAL」)に、当社が保有するパトリツマブ(抗HER3モノクロナール抗体)が新たな治療対象群として加わることになりましたので、お知らせいたします。
I-SPY2 TRIALは、QuantumLeap Healthcare Collaborative(以下「QuantumLeap」)の出資の下、米国食品医薬品局(FDA)、米国国立がん研究所(NCI)、複数の製薬会社及び大学病院等によるコンソーシアム形式で実施されています。バイオマーカーを利用することで、特定のがん治療薬においてどの患者集団が最も恩恵を得られるかを同定し、新たに局所進行性乳がんと診断された患者に対して、標準的な術前化学療法と併用する新薬候補の有効性を比較します。
今回、I-SPY2 TRIALにおいて、HER2陽性の乳がん患者に対し、乳がん切除手術前に、現在の標準治療であるトラスツマブ(抗HER2モノクロナール抗体)とパクリタキセル(化学療法薬)の2剤併用と、トラスツマブ、パクリタキセル及びパトリツマブの3剤併用のどちらかを12週間投与し、パトリツマブを含む3剤併用投与における安全性と有効性を評価します。
以 上
(ご参考)
<QuantumLeap Healthcare Collaborative の概要>
所在地:米国カリフォルニア州サンフランシスコ
設立年:2005年
概 要:カリフォルニア大学の研究者とシリコンバレーの起業家により設立された
医薬品等の研究開発を支援する非営利財団。
第一三共のがん事業について
当社は、世界トップ水準のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供していきます。
当社は、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、現在、固形がんと血液がんの両領域で20以上の新規の低分子および抗体医薬を保有しています。主要開発品目には、FLT3-ITD阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病(第3相))、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫(第3相)、固形がんにおける抗PD-1抗体との併用試験(第1/2相)も実施中)、MET阻害剤チバンチニブ(目標適応:肝細胞がん(第3相))、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201a(目標適応:固形がん(第1相))等があります。