第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、Kite Pharma, Inc.(所在地:米国カリフォルニア州、以下「Kite社」)が保有するがん領域における細胞治療薬の研究開発パイプラインに関し、日本におけるKTE-C19の開発、製造および販売の独占的実施権、及びその他の開発品目と今後3年以内に臨床開発に入る開発候補品目の導入オプション権をKite社から取得する契約を締結しましたので、お知らせいたします。
Kite社は、患者自身の免疫細胞に遺伝子改変を行い、がん細胞に対する攻撃性を高めた遺伝子改変免疫細胞を医薬品として使用する自家細胞治療薬*の研究開発パイプラインを保有しています。
KTE-C19は、CD19と呼ばれる悪性リンパ腫細胞の表面に発現している抗原を標的とする細胞治療薬(キメラ抗原受容体T細胞:CAR-T)で、静脈内投与により再発性または難治性の悪性リンパ腫に対する治療効果が期待されています。本剤は、米国においては米国食品医薬品局(FDA)からBreakthrough Therapy(画期的治療薬)指定を受け2016年12月に承認申請を行い、欧州においては欧州医薬品庁(EMA)からプライム(PRIority MEdicines)指定を受けています。
日本において、開発および販売は当社が実施、治験用製造はKite社が実施、上市後の製造はKite社から当社への製造技術移管後に当社が実施します。
また、当社は本契約締結時に5,000万米ドルをKite社に支払うと共に、品目毎に契約に応じた各種マイルストンおよび販売ロイヤルティを支払います。
がん領域の遺伝子改変免疫細胞療法で最新技術を持つKite社との包括提携により、当社は、がん患者さんへ今までにない新たな治療の選択肢を提供できるものと期待しています。
以 上
* 細胞治療薬は、患者自身の細胞を取り出し加工・培養する自家細胞治療薬と、提供者からの細胞を加工・培養・保管する他家細胞治療薬の2種類に分類されます。
(ご参考)
<Kite Pharma, Inc.(カイトファーマ・インク)の概要>
所在地:米国カリフォルニア州サンタモニカ
設立年:2009年(2014年にナスダック上場)
概 要:米国国立がん研究所(NCI)をはじめとするアカデミアと提携し、がんを対象とする遺伝子改変免疫細胞療法を研究開発するバイオベンチャー