第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、株式会社Orphan Disease Treatment Institute*1(本社:東京都品川区)と共同で開発しているDS-5141(デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤)が、先駆け審査指定制度*2の対象品目に指定されましたので、お知らせいたします。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、民族差なく、新生男児の約3,500 人に1 人発症することが知られている極めて重篤な遺伝性希少疾患で、その発症原因は、患者の筋細胞において、ジストロフィンタンパク質が産生されないことですが、治療法は極めて限られており、その効果も限定的です。
本剤は、患者筋細胞内において、ジストロフィン遺伝子からメッセンジャーRNAが作られる過程で、エクソン45部分のスプライシングをスキップさせ、不完全ながらも機能が保持されたジストロフィンタンパク質を産生することで、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療が期待される核酸医薬品です。また、当社独自の修飾核酸であるENA®オリゴヌクレオチドを有効成分としており、現在、国内において第1/2相臨床試験を実施中です。
以 上
*1株式会社Orphan Disease Treatment Institute について
株式会社産業革新機構と三菱UFJキャピタル株式会社の運用するファンドと当社との共同投資により、
2013年に設立した会社です。
*2 先駆け審査指定制度について
世界に先駆けて革新的医薬品・医療機器等の日本での早期実用化を目指す「先駆けパッケージ戦略」(平成26年6月17日厚生労働省取りまとめ)の重点施策の1つで、生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して極めて高い有効性が期待される医薬品を指定し、世界でも最先端の治療薬を最も早く日本の患者に提供することを目指す制度です。
開発の比較的早期の段階に対象医薬品が指定され、薬事承認に係る相談や審査において優先的な取り扱いの対象とされることになっています。