第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、経口抗凝固剤エドキサバン(製品名:リクシアナⓇ錠)のライフサイクルマネジメントの一環として、ENVISAGE-TAVI AF試験を開始しましたので、お知らせいたします。
ENVISAGE-TAVI AF試験は、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)を施行した心房細動(AF)患者を対象とした抗血栓療法として、抗凝固剤と抗血小板薬の併用または抗凝固剤の単独投与において、経口抗凝固剤エドキサバンの投与群と、現在の標準療法であるワルファリンの投与群を比較し、エドキサバンの安全性および有効性を評価します。主要評価項目は、総死亡、心筋梗塞、虚血性脳卒中、全身性血栓塞栓症、弁血栓症および重大な出血の発現率の複合エンドポイントです。
本試験は、ヨーロッパ諸国および北米の200施設で約1,400名の患者を登録する予定です。
以 上
エドキサバンについて
エドキサバンは、血管内で血液凝固に関与するFXa (活性化血液凝固第X因子) を選択的、可逆的かつ直接的に阻害します。
現在、日本、米国、韓国、香港、台湾、タイ、スイス、イギリス、ドイツ、アイルランド、オランダ、イタリア、スペイン、ベルギー、オーストリア、ポルトガル及び他のヨーロッパ諸国にて販売されています。
日本では、「下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」の適応で、リクシアナⓇ錠15 mg、同錠30 mgを2011年7月から販売しており、2014年9月には「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」及び「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制」の両適応で効能追加の承認を取得し、2014年12月からリクシアナⓇ錠60 mgを販売しております。
エドキサバンのライフサイクルマネジメントについて
当社は、エドキサバンの科学的知見を継続的に発展させるよう取り組んでいます。
エドキサバンの臨床研究プログラムは、無作為化比較試験およびレジストリーとして知られる観察研究から成り、心房細動や静脈血栓塞栓症の患者におけるエドキサバンの使用について、臨床試験や使用実態下のデータを創出することを目的としています。当社は、エドキサバン臨床研究プログラムに、完了・継続・計画中のものを加えると10万人以上の患者さんが参加されることを見込んでおります。
本プログラムにおける無作為化比較試験は以下のとおりです。
・電気的除細動を施行予定の心房細動患者を対象としたENSURE-AF試験
・冠動脈インターベンションを受ける予定の心房細動患者を対象としたENTRUST-AF PCI試験
・癌を合併した静脈血栓塞栓症患者を対象としたHokusai-VTE Cancer試験
・非弁膜症性心房細動を有する高齢者を対象としたELDERCARE-AF試験(日本)
・非弁膜症性心房細動を有するカテーテルアブレーション施術後の患者を対象としたELIMINATE-AF試験
・経カテーテル大動脈弁置換術後の患者を対象としたENVISAGE-TAVI AF試験
また、エドキサバンや他の経口抗凝固剤の重要な使用実態下の実臨床エビデンスを示すデータを創出するためのグローバルおよび地域的レジストリーは以下のとおりです。
・ETNA-AF
・ETNA-VTE
・EMIT-AF/VTE
・Prolongation PREFER in AF
・ANAFIE Registry(日本)
・Cancer-VTE Registry(日本)
当社は、幅広いAFおよびVTE患者さんにおけるエドキサバンに関連する科学的知見の充実に一層尽力していきます。