第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、Zymeworks Inc.(所在地:カナダ バンクーバー、以下「Zymeworks社」)とのがん免疫療法による新規治療薬創製を目指したバイスペシフィック抗体*(二重特異性抗体)の共同研究において、研究マイルストンを達成し次の研究ステージに進みましたので、お知らせいたします。
当社は、2016年9月にZymeworks社とクロスライセンス契約を締結し、Zymeworks社が保有するバイスペシフィック抗体の創製技術基盤を使用する権利を取得しました。一方、Zymeworks社は、当社が保有するがん免疫関連の抗体を活用した独自のバイスペシフィック抗体を研究開発および商業化する権利を取得しました。今回の研究マイルストンの達成に伴い、当社は100万米ドルをZymeworks社に支払います。
当社は、Zymeworks社が保有するバイスペシフィック抗体等の次世代バイオ医薬の創製技術基盤を活用し、がん患者さんに新たな治療の選択肢を提供してまいります。
以 上
*バイスペシフィック抗体:抗体1分子中の2つの抗原結合部位に、異なる種類の抗原が結合できる抗体医薬
<Zymeworks(ザイムワークス)社の会社概要>
所在地:カナダ バンクーバー
設立年:2003年
概 要:がん、自己免疫、炎症等の疾患領域において、独自の抗体及び蛋白質改変技術基盤を活用し、バイスペシフィック抗体等の次世代バイオ医薬の開発に取り組むバイオベンチャー企業。
第一三共のがん事業について
当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。
当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)と急性骨髄性白血病(AML)をフランチャイズとして、合計20以上の新規の低分子医薬、抗体医薬および抗体薬物複合体(ADC)を保有しています。
主要開発品目には、FLT3-ITD阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201(目標適応:固形がん)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫、固形がんにおける抗PD-1抗体との併用試験も実施中)等があります。