第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、当社が保有するDS-5010に関しBoston Pharmaceuticals Inc.(米国マサチューセッツ州、以下「Boston Pharma社」)とライセンス契約を締結しましたので、お知らせいたします。
DS-5010は現在、前臨床段階にある選択的RETキナーゼ阻害剤です。RET遺伝子の変異は、非小細胞肺がん、大腸がん、甲状腺がんなどの発症に関係していると考えられています。
本契約の下、当社は、DS-5010の全世界での研究開発、製造および商業化の権利をBoston Pharma社に供与する代わりに、Boston Pharma社から契約一時金を受け取ると共に、進捗に応じた各種マイルストンおよび販売ロイヤルティを受け取る権利を取得します。Boston Pharma社は新薬治験開始申請後のすべての活動に責任を持ちますが、治験開始に向けて実施中の前臨床試験は当社がBoston Pharma社と連携して推進します。
当社は、自社のがん領域の研究開発パイプラインにおいて積極的なポートフォーリオマネジメントを行い、自社開発だけでなく戦略的な提携等を通じて有望な品目に十分な資源を投じることで、革新的な医薬品をいち早くがん患者さんに提供してまいります。
以 上
(ご参考)
<Boston Pharmaceuticals Inc.(ボストン ファーマシューティカルズ インク)の概要>
所在地:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ
設立年:2015年
概 要:医薬品の初期開発に特化した開発専門会社。POC(Proof of Concept)*取得前の初期開発品を導入し、自社開発を行い、POC取得など開発品の価値を高めてから他社に導出する事業モデルを持つ。
*POC(Proof of Concept)とは、研究段階で構想した薬効がヒトでも有効性を持つことを実証すること
第一三共のがん事業について
当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。
当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)と急性骨髄性白血病(AML)をフランチャイズとして、合計20以上の新規の低分子医薬、抗体医薬および抗体薬物複合体(ADC)を保有しています。
主要開発品目には、FLT3-ITD阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201(目標適応:固形がん)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫、固形がんにおける抗PD-1抗体との併用試験も実施中)等があります。