2017年08月30日
研究開発情報

各位

会社名 第一三共株式会社
代表者 代表取締役社長 眞鍋 淳 
(コード番号 4568 東証第1部)
問合せ先 常務執行役員コーポレートコミュニケーション部長 石田 憲昭
TEL  報道関係者の皆様 03-6225-1126
株式市場関係者の皆様 03-6225-1125

DS-8201の乳がん第2相臨床試験開始について

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、DS-8201(HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)*1)について、HER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象とした第2相臨床試験(試験名:DESTINY-Breast01)を開始しましたので、お知らせいたします。 

現在、トラスツズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ エムタンシン(以下「T-DM1」)などHER2を標的とする既存の抗がん剤治療を受けた後に進行したHER2陽性の再発・転移性乳がんに対する標準治療はありません。 

本試験は、T-DM1治療抵抗性のHER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象とした国際共同第2相臨床試験で2つのパートからなります。パート1では有効性、安全性及び薬物動態を評価し、パート2の推奨用量を決定します。パート2ではT-DM1治療抵抗性の患者群及び抵抗性以外の理由でT-DM1の投与を中止した患者群において、DS-8201の有効性と安全性を評価します。主要評価項目は客観的奏効率*2で、日本、北米、欧州、アジアなどにおいて230名以上の患者を登録する予定です。 

本試験の開始は、DS-8201の開発を加速するための重要なステップとなります。当社は、がん患者さんの治療の選択肢を増やすため、本試験に加え、HER2発現の他の固形がん(胃がん、大腸がん等)での試験や他剤との併用療法試験も積極的に進めてまいります。

 

以 上

 

*1 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリンカーを介して結合させた医薬群で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めた薬剤です。

*2 客観的奏功率とは、腫瘍が完全に消失または30%以上減少した患者の割合です。

 

 

第一三共のがん事業について

当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。

当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)と急性骨髄性白血病(AML)をフランチャイズとして、合計20以上の新規の低分子医薬、抗体医薬および抗体薬物複合体(ADC)を保有しています。

主要開発品目には、FLT3-ITD阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201(目標適応:固形がん)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫、固形がんにおける抗PD-1抗体との併用試験も実施中)等があります。

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