第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、米国テキサス大学MD Anderson Cancer Center(以下「MD Anderson」)と急性骨髄性白血病(以下「AML」)治療における新薬開発の加速を目的として、複数年の研究開発提携に関する契約を締結しましたので、お知らせいたします。
今回のMD Andersonとの提携は、当社AMLフランチャイズの複数の開発品の併用効果(当社薬剤間および他社薬剤との併用効果)を同一施設で実施する臨床試験ならびに非臨床試験によって評価するという新規のアプローチを可能とします。評価する当社開発品は、後期開発段階のキザルチニブ(FLT3-ITD阻害剤)と初期開発段階のDS-3032(MDM2阻害剤)、DS-3201(EZH1/2阻害剤)、PLX51107(BRD4阻害剤)等です。
本契約の下、複数の第1相および第2相臨床試験(併用試験)をMD Andersonが実施する予定です。また、新規薬剤との併用に関する非臨床試験や新規バイオマーカーの探索等のトランスレーショナル リサーチも実施する予定です。
当社は、AMLフランチャイズの開発戦略に、MD Andersonの豊富な経験と専門知識を取り込むことにより、新規併用療法の最適化を実現し、AML患者さんに新しい治療の選択肢を提供できるよう取り組んでまいります。
以 上
(ご参考)
<テキサス大学MD Anderson Cancer Centerの概要>
所在地:米国テキサス州ヒューストン
設立年:1941年
職員数:約20,000名
概 要:がんの治療、研究、専門家教育に関して世界最大規模かつ先進的なアカデミアセンターのひとつ。白血病に関しても希少な症例を含め各地から集まる多くの患者の治療にあたっており、新規治療法の研究開発においても重要な役割を果たしている。
急性骨髄性白血病(AML)について
急性骨髄性白血病(AML)は、白血病の中で比較的発症頻度が高く、白血病細胞が増殖することによって骨髄での正常な血液の産生が阻害されてしまう病気です。AMLに対する治療成績は十分ではなく、5年生存率は白血病の中で最も低いと考えられています。
第一三共のがん事業について
当社のがん事業は、世界最先端のサイエンス(科学的知見、技術)を応用し、がん患者さんのための革新的な治療を提供することを使命としています。
当社は、日本のがん領域ラボラトリー(バイオ・がん免疫・低分子)と米国プレキシコン(低分子)の強力な研究体制を通じて、がん領域の開発パイプラインの拡充を進めており、抗体薬物複合体(ADC)と急性骨髄性白血病(AML)をフランチャイズとして、合計20以上の新規の低分子医薬、抗体医薬および抗体薬物複合体(ADC)を保有しています。
主要開発品目には、FLT3-ITD阻害剤キザルチニブ(目標適応:急性骨髄性白血病)、抗HER2抗体薬物複合体DS-8201(目標適応:固形がん)、CSF-1R阻害剤ペキシダルチニブ(目標適応:腱滑膜巨細胞腫、固形がんにおける抗PD-1抗体との併用試験も実施中)等があります。