第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、本日開催の取締役会において、当社及び当社の子会社である第一三共エスファ株式会社(以下「第一三共エスファ」)が日本において製造販売を行っている長期収載品41製品について、国内の製造販売承認をアルフレッサ ホールディングス株式会社の子会社であるアルフレッサ ファーマ株式会社(以下「アルフレッサ ファーマ」)に承継(譲渡)することを決議いたしましたので、お知らせいたします。
当社は長年にわたり先進的医薬品の創出を図り、高品質な医薬品を継続的かつ確実に医療現場にお届けするよう努めておりますが、2025年ビジョンである「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」の実現に向け、がん領域へ優先的に資源投入してまいります。また、第一三共エスファはジェネリック医薬品企業として、超高齢化時代の国民医療に貢献してまいります。
その中で国内における長期収載品について事業最適化を検討してまいりましたが、当社および第一三共エスファの長期収載品事業の一部をアルフレッサ ファーマに譲渡することで、医療現場への安定供給責任を継続的に果たせるものと判断いたしました。
当該決議に従い、当社の長期収載品35製品と第一三共エスファの長期収載品6製品、計41製品の棚卸資産(2018年3月末 帳簿価額 30.8億円)及び国内製造販売に係る権利義務を2019年3月以降、アルフレッサ ファーマに承継し、当社及び第一三共エスファはアルフレッサ ファーマより84.2億円(棚卸資産を除く)の金銭の交付を受ける予定です。なお、承継する長期収載品41製品の2018年3月期の売上収益は91.6億円であります。
当社の長期収載品35製品のうち、30製品の資産及び製造販売に係る権利義務については、2019年3月1日を効力発生日として、会社分割によりアルフレッサ ファーマに承継し、それ以外の製品については、2019年3月2日以降順次、アルフレッサ ファーマに個別承継してまいります。
第一三共エスファの長期収載品6製品のうち、5製品の資産及び製造販売に係る権利義務については、2019年3月1日を効力発生日として、会社分割によりアルフレッサ ファーマに承継し、それ以外の製品については、2019年3月2日以降順次、アルフレッサ ファーマに個別承継してまいります。
当社及び第一三共エスファがアルフレッサ ファーマに承継する長期収載品41製品は以下のとおりです。
【長期収載品41製品一覧】
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販売名
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薬効分類
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製造販売元
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備考
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1
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ATP
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他に分類されない代謝性医薬品
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第一三共
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〇
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2
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アクトシン®
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強心剤
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第一三共
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〇
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3
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アドソルビン®
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制酸剤
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第一三共
|
〇
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4
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アミサリン®
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不整脈用剤
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第一三共
|
〇
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5
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アレルギン®
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抗ヒスタミン剤
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第一三共
|
〇
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6
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イスコチン®
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抗結核剤
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第一三共
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〇
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7
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インジゴカルミン
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機能検査用試薬
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第一三共
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〇
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8
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ガンマロン®
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その他の循環器官用剤
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第一三共
|
〇
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9
|
クロマイ®
|
抗生剤
|
第一三共
|
〇
|
10
|
クロロマイセチン®
|
抗生剤
|
第一三共
|
〇
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11
|
セフメタゾン®
|
抗生剤
|
第一三共
|
〇
|
12
|
セレナール®
|
催眠鎮静剤、抗不安剤
|
第一三共
|
〇
|
13
|
ソメリン®
|
催眠鎮静剤、抗不安剤
|
第一三共
|
〇
|
14
|
ダイピン®
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鎮痙剤
|
第一三共
|
〇
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15
|
タリビッド®錠剤
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合成抗菌剤
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第一三共
|
〇
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タリビッド®耳科用液
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第一三共
|
|
16
|
ドパゾール®
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抗パーキンソン剤
|
第一三共
|
〇
|
17
|
トロペロン®
|
精神神経用剤
|
第一三共
|
〇
|
18
|
ドロレプタン®
|
全身麻酔剤
|
第一三共
|
〇
|
19
|
ネオイスコチン®
|
抗結核剤
|
第一三共
|
〇
|
20
|
ネオドパゾール®
|
抗パーキンソン剤
|
第一三共
|
〇
|
21
|
ネルボン®
|
催眠鎮静剤、抗不安剤
|
第一三共
|
〇
|
22
|
ノルアドリナリン®
|
副腎ホルモン剤
|
第一三共
|
〇
|
23
|
パラアミノ馬尿酸ソーダ
|
機能検査用試薬
|
第一三共
|
〇
|
24
|
バル®
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解毒剤
|
第一三共
|
〇
|
25
|
ピラマイド®
|
抗結核剤
|
第一三共
|
〇
|
26
|
フェノールスルホンフタレイン
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機能検査用試薬
|
第一三共
|
〇
|
27
|
ホーリット®
|
精神神経用剤
|
第一三共
|
〇
|
28
|
リバオール®
|
肝臓疾患用剤
|
第一三共
|
〇
|
29
|
亜硝酸アミル
|
血管拡張剤・解毒剤
|
第一三共
|
〇
|
30
|
糖液
|
糖類剤
|
第一三共
|
〇
|
31
|
ギャバロン®
|
鎮痙剤
|
第一三共
|
|
32
|
コートロシン®
|
脳下垂体ホルモン剤
|
第一三共
|
|
33
|
セドリーナ®
|
抗パーキンソン剤
|
第一三共
|
|
34
|
セパゾン®
|
催眠鎮静剤、抗不安剤
|
第一三共
|
|
35
|
ビタメジン®
|
混合ビタミン剤
|
第一三共
|
|
36
|
S・M
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健胃消化剤
|
第一三共エスファ
|
△
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37
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シンレスタール®
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高脂血症用剤
|
第一三共エスファ
|
△
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38
|
ノイエル®
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消化性潰瘍剤
|
第一三共エスファ
|
△
|
39
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ハイアミン®
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外皮用殺菌消毒剤
|
第一三共エスファ
|
△
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40
|
パントシン®
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ビタミンB剤
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第一三共エスファ
|
△
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41
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カプトリル®
|
血圧降下剤
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第一三共エスファ
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(注)備考欄の〇は当社の「会社分割」対象製品、△は第一三共エスファの「会社分割」対象製品
次に、当社の長期収載品30製品の会社分割について、下記の通り、お知らせいたします。なお、本会社分割は、当社の純資産の減少額が直前事業年度の末日における純資産額の 10%未満、且つ、当社の売上高の減少額が直前事業年度の売上高の3%未満であると見込まれる会社分割(簡易吸収分割)であるため、開示事項・内容を一部省略して開示しております。
記
1. 会社分割の要旨
①会社分割の理由
本取引は承継する製品数が多いこと、また製品に関連した承継すべき契約書等の数が多いことから、製品や各契約書等を包括的に承継するため、会社分割(簡易吸収分割)による承継のスキームを選択しております。
②会社分割の日程
取締役会決議日(当社)
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2018年7月31日
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契約締結日
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2018年7月31日
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効力発生日(予定)
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2019年3月1日
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金銭交付日(予定)
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2019年3月1日
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(注)当社が行う本会社分割は、会社法第 784 条第2項の規定に基づく簡易吸収分割であるため、株主総会の決議を経ることなく行うこととしております。
③会社分割方式
当社を分割会社とし、アルフレッサ ファーマを承継会社とする吸収分割(簡易吸収分割)です。
④会社分割に係る割当ての内容
本会社分割に際して、当社はアルフレッサ ファーマから約42億円の金銭交付を受ける予定です。
⑤会社分割に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
当社が発行する新株予約権について、本会社分割による変更はありません。なお、当社は新株予約権付社債を発行しておりません。
⑥会社分割により増減する資本金
本会社分割による資本金の増減はありません。
⑦承継会社が承継する権利義務
承継会社は、本会社分割に際し、分割事業に関する資産、契約上の地位、許認可、知的財産権等及びこれらに付随する権利義務(従業員との労働契約及びこれに付随する権利義務を除く)を承継いたします。なお、吸収分割効力発生日までに生じた営業債権・債務(売掛金、買掛金、未払金、他の金銭取引)については分割会社である当社に帰属するものといたします。
⑧債務履行の見込み
本会社分割において承継会社が負担すべき債務はありません。
2. 会社分割に係る割当ての内容の算定の考え方
アルフレッサ ファーマは、本会社分割後に分割事業を継続して営むことから、分割事業により得られる見込みの将来キャッシュフローに基づきその価値を評価するディスカウンテッド・キャッシュ・フロー(DCF 法)を採用するのが適切であるとしたうえで、第三者機関に依頼して事業価値の算定を行いました。
アルフレッサ ファーマは第三者機関の価値算定結果を元に、当該事業の事業価値を算定して当社へ金額を提示しました。当社はこれに加えて、当社における承継製品の状況及び承継製品に係る資産の帳簿価額を総合的に勘案し、当事会社両者で協議・交渉を行った結果、当社は、最終的にお互い合意した金額が妥当であるとの判断に至り、アルフレッサ ファーマとの間で本会社分割に係る吸収分割契約を締結いたしました。なお、算定の前提とする財務予測においては、大幅な増減益は見込んでおりません。
3. 当事会社の概要
【分割会社】
① 名称
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第一三共株式会社
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② 所在地
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東京都中央区日本橋本町三丁目5番1号
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③ 代表者の役職・氏名
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代表取締役社長 眞鍋 淳
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④ 事業の内容
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医薬品の研究開発、製造、販売等
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⑤ 資本金
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50,000 百万円
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⑥ 設立年月日
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2005年9月28日
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⑦ 発行済株式数
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709,011,343株
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⑧ 決算期
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3月31日
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⑨ 大株主及び持株比率
(2018年3月31日現在)
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日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)8.73%
JP MORGAN CHASE BANK 380055 8.66%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)7.21%
日本生命保険相互会社 5.52%
みずほ信託銀行株式会社退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者 資産管理サービス信託銀行株式会社 2.22%
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⑩ 直前事業年度の財政状態及び経営成績(2018年3月期)国際会計基準 <連結>
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親会社の所有者に帰属する持分
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1,132,982 百万円
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総資産額
|
1,897,754 百万円
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1株当たり親会社所有者帰属持分
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1,749.33 円
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売上収益
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960,195 百万円
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営業利益
|
76,282 百万円
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親会社の所有者に帰属する当期利益
|
60,282 百万円
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基本的1株当たり当期利益
|
91.31 円
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【承継会社】
① 名称
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アルフレッサ ファーマ株式会社
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② 所在地
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大阪府大阪市中央区石町二丁目2番9号
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③ 代表者の役職・氏名
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代表取締役社長 島田 浩一
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④ 事業の内容
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医薬品、診断薬、医療機器、医薬品原材料等の製造・輸出入・販売
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⑤ 資本金
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1,000百万円
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⑥ 設立年月日
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1939年12月14日
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⑦ 発行済株式数
|
10,000,000株
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⑧ 決算期
|
3月31日
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⑨ 大株主及び持株比率
(2018年3月31日現在)
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アルフレッサ ホールディングス株式会社 100%
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⑩ 直前事業年度の財政状態及び経営成績(2018年3月期)日本基準
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純資産
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22,945 百万円
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総資産
|
36,528 百万円
|
1株当たり純資産
|
2,294.5 円
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売上高
|
29,677 百万円
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営業利益
|
2,155 百万円
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経常利益
|
2,226 百万円
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当期純利益
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1,549 百万円
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1株当たり当期純利益
|
154.9 円
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4. 分割する事業部門の概要
① 分割する部門の事業内容
本吸収分割によって2019年3月1日に分割する事業は、当社が日本において製造販売を行っている長期収載品30製品です(2-3ページの「長期収載品41製品一覧」を参照)。
② 分割する部門の経営成績(2018年 3月期)
③ 分割する資産、負債の項目及び金額(2018年 3月 31 日現在)
資産
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負債
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項目
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帳簿価額
|
項目
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帳簿価額
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流動資産
|
1,154百万円
|
流動負債
|
―
|
固定資産
|
―
|
固定負債
|
―
|
合計
|
1,154百万円
|
合計
|
―
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(注)分割する資産、負債の金額は、上記金額に本会社分割の効力発生日前日までの増減を加除した上で確定いたします。
5. 会社分割後の状況
会社分割後、当社及びアルフレッサ ファーマの名称、所在地、代表者の役職・氏名、事業内容、資本金、決算期に変更はありません。
6. 今後の見通し
本会社分割による当社連結業績への影響は軽微です。