ユーシービージャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:菊池 加奈子、以下「ユーシービージャパン」。また、ユーシービーグループを総称して以下「ユーシービー」)と第一三共株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:眞鍋 淳、以下「第一三共」)は本日、抗てんかん剤「ビムパット®錠 50mg・100mg」(一般名:ラコサミド)について、てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に係る4歳以上の小児の用法・用量を追加する承認事項の一部変更承認を取得しましたのでお知らせいたします。
てんかんは発症率の高い神経疾患のひとつで、日本では約100万人のてんかん患者さんがいると推定されており1、その約半数は小児期に診断されます2。また、小児期に発症するてんかんは多様であり、関連性が疑われる多くの併存疾患があるため、てんかんをコントロールしつつ副作用の少ない新たな治療選択肢が求められています。
今回の小児に対する用法・用量の承認は、日本人を含む小児てんかん患者さんを対象に実施した第2相国際共同試験3及び第3相海外臨床試験4等の結果に基づくものです。
ユーシービーと第一三共は、小児のてんかん患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、患者さんや医療関係者の方々に一層の貢献ができるものと期待しています。
製品概要
販売名
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ビムパット®錠 50mg・100mg
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一般名(JAN)
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ラコサミド
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効能・効果
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てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)
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用法・用量
(追加内容下線部)
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成人:通常、成人にはラコサミドとして1日100mgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて増量し、維持用量を1日200mgとするが、いずれも1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日400mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として
100mg以下ずつ行うこと。
小児:通常、4歳以上の小児にはラコサミドとして1日2mg/kgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kgずつ増量し、維持用量を体重30kg未満の小児には1日6mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児には1日4mg/kgとする。いずれも1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により体重30kg未満の小児には1日12mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児には1日8mg/㎏を超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kg以下ずつ行うこと。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いること。
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製造販売承認日
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2016年7月4日
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薬価基準収載日
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2016年8月31日
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発売日
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2016年8月31日
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一部変更承認日
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2019年1月8日
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製造販売元
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ユーシービージャパン株式会社
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販売元
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第一三共株式会社
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「ビムパット®」(一般名:ラコサミド)について
「ビムパット®」は、電位依存性ナトリウムチャネルの緩徐な不活性化を選択的に促進することにより、神経細胞の過剰な興奮を低下させる薬剤です5。
日本では2016年7月に成人の「てんかん患者の部分発作に対する併用療法」の効能・効果で製造販売承認を取得しました。さらに、成人の「てんかん患者の部分発作に対する単剤療法」の効能追加が2017年8月に、4歳以上の小児てんかん患者の部分発作に対する併用療法及び単剤療法に係る新用量が2019年1月に追加承認されました。
ユーシービーと第一三共は、2014年11月に締結した本剤に関する共同商業化契約に基づき、製造はユーシービーが担い、流通・販売は第一三共が担当し、プロモーション活動は両社共同で実施しています。
てんかんについて
てんかんは、有病率が約1%、世界に約6,500万人の患者さんがいる疾患で、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢で発症し、国や地域、性別や人種による発症率の違いはありません。日本では約100万人のてんかん患者さんがいると言われ、毎年57,000人が新たにてんかんを発症しています1。てんかん患者さんの大部分が長期的な薬物療法を必要としますが6、既存の抗てんかん薬を使用しても、30%を超える患者さんがてんかん発作を十分にコントロールできていないとの報告があり7、てんかんは今なお、アンメット・ニーズの高い疾患です。
てんかん発作は臨床症状等に基づき、部分発作(二次性全般化発作に移行することもある)、全般発作及び分類不能のてんかん発作という3つの主要なタイプに分類され、このうち部分発作は全症例の約60%を占める最も高頻度に発現する発作です。
ユーシービーとてんかんについて
ユーシービーは、世界のてんかん患者さんの日々の生活を改善するために、新規抗てんかん薬の研究開発に20年以上にわたり、長期的に取り組んでいます。てんかんと共に生きる患者さん一人ひとりが人生をより良く生きることをサポートするために、有効な解決策についての知識を深め、その解決策をさらに多くの患者さんが利用できるように努めています。そして、世界のてんかんコミュニティの魅力的なパートナーとなることが我々の目標です。我々は、他の研究施設や製薬企業、組織に属し、目標を共有する世界的科学者や臨床医の方と提携し、高度なネットワーク構築を目指しています。ユーシービーは、患者さんに鼓舞され(Inspired by patients)、科学に立脚して推進する(Driven by science)ことで、てんかん患者さんをサポートする努力を日々続けています。
参考文献
1. 日本てんかん学会:「てんかん専門医ガイドブック」診断と治療社」. 2014
2. Shinnar, S., Pellock, J.M. Update on the epidemiology and prognosis of pediatric epilepsy. J Child Neurol. 2002;17(1):S4-17.
3. 承認時評価資料(小児患者を対象とした部分発作併用療法の長期継続投与試験)
4. 承認時評価資料(小児患者を対象とした部分発作併用療法のプラセボ対照比較試験)
5. Errington AC. et al. Mol Pharmacol. 2008;73(1):157-169.
6. Perucca E. Baillière’s Clin Neurol. 1996;5(4):693-722.
7. Kwan P. et al. N Engl J Med. 2000;342(5):314-319.
ユーシービーについて
ユーシービーグループ(www.ucb.com)は、ベルギーのブリュッセルに本社を置くグローバルバイオファーマで、ニューロロジーや免疫・炎症、骨領域の重篤な疾患と共に生きる患者さんのより良い生活の実現を目指して、革新的な医薬品の研究開発や創薬ならびに ソリューションの提供に力を注いでいます。世界約40か国に拠点を置き、従業員数は約7,500名を擁しており、2017年の収益は45億ユーロ(約5,700億円)でした。ユーシービーはユーロネクスト・ブリュッセル証券市場に上場しています(シンボル:UCB)。
ユーシービージャパンは1988年に設立され、抗てんかん薬「イーケプラ®」、「ビムパット®」、関節リウマチ治療薬「シムジア®」を中心に事業を展開しています。これからも、患者さんの価値を創造するバイオファーマリーダーとして、従来の治療で十分な改善が得られなかった患者さんに新たな治療の選択肢を提供することを目指して、日本の医療・健康へ更に貢献することを使命として参ります。
第一三共グループについて
第一三共グループは、「革新的な医薬品を継続的に創出し、多様な医療ニーズに応える医薬品を提供することで、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことを企業理念に掲げております。
世界中で多くの患者さんに服用いただいた高血圧症、脂質異常症、感染症領域の薬剤に続き、血栓症領域でも新薬を上市し、次代のフランチャイズとして育成しております。
さらには研究の重点標的疾患領域を「がん」と定め、次世代領域を「疼痛、中枢神経系疾患、心不全・腎障害、希少疾患」とし、バイオ医薬品を含めた新薬創出に向けて取り組みを強化しております。
また、第一三共グループは、患者さん、医療関係者等の皆さまの多様なニーズに対応するべく、イノベーティブ医薬品(新薬)に加え、ジェネリック医薬品、ワクチン、OTC医薬品の事業を展開しております。
詳細については、www.daiichisankyo.co.jpをご覧ください。
この件に関するお問い合わせは、下記にお願いします。
ユーシービージャパン株式会社 広報部 TEL:03-6864-7633
第一三共株式会社 コーポレートコミュニケーション部 報道関係者の皆様TEL: 03-6225-112 株式市場関係者の皆様TEL: 03-6225-1125
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