第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、本日、疼痛治療剤「タリージェ®錠 2.5mg・5mg・10mg・15mg」(一般名:ミロガバリンベシル酸塩、以下「本剤」)について、「末梢性神経障害性疼痛(PNP)*1」を適応として、国内製造販売承認を取得しましたので、お知らせいたします。
本剤は、当社が創製したα2δリガンド*2であり、日本を含むアジアにおいて実施した糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)*3患者を対象とした第3相臨床試験および帯状疱疹後神経痛(PHN) *4患者を対象とした第3相臨床試験の結果に基づき、2018年2月に製造販売承認申請を行いました。
当社は、末梢性神経障害性疼痛領域へ新たな治療の選択肢を提供することで、患者さんや医療関係者の皆様に貢献できるものと期待しております。
以上
*1: 末梢性神経障害性疼痛(peripheral neuropathic pain: PNP) について
末梢性神経障害性疼痛は、さまざまな原因によって末梢神経に損傷や機能異常が起こり生じる痛みです。代表的なものに糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)*3や帯状疱疹後神経痛(PHN)*4などがあります。
*2: α2δ(アルファ2デルタ)リガンドについて
α2δリガンドは、電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合する物質です。
*3: 糖尿病性末梢神経障害性疼痛(diabetic peripheral neuropathic pain: DPNP)について
糖尿病性末梢神経障害性疼痛は、神経の損傷によって引き起こされる末梢性神経障害性疼痛の代表的な疾患です。糖尿病性末梢神経障害は、四肢の神経障害や知覚麻痺を引き起こす疾患で、最も一般的で長期化する糖尿病の3大合併症の一つです。症状として、激しい痛み、痛覚過敏、しびれ、平衡および筋肉運動障害、灼熱痛、刺痛などがあり、夜間に痛みが増すことが多く、睡眠障害に至ることもあります。日本で1,000万人を超えると推測される糖尿病患者のうち、DPNPに罹患している患者の割合は9~22%と報告されています。
*4: 帯状疱疹後神経痛(post-herpetic neuralgia: PHN)について
帯状疱疹後神経痛は、神経の損傷によって引き起こされる末梢性神経障害性疼痛の代表的な疾患です。帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節内に潜伏感染し、ウイルスに対する免疫力が低下することで発症します。帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹が治癒した後も焼けるような痛みや電気が走るような痛みが持続し、まれに筋力の低下や麻痺を引き起こす難治性疼痛の一つと考えられています。日本で年間に50~60万人が発症している帯状疱疹患者のうち、PHNに罹患している患者の割合は10~25%と言われています。
製品概要
販売名
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タリージェ®錠 2.5mg・5mg・10mg・15mg
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一般名
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ミロガバリンベシル酸塩
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製造販売承認日
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2019年1月8日
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効能・効果
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末梢性神経障害性疼痛
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用法・用量
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通常、成人には、ミロガバリンとして初期用量1回5mgを1日2回経口投与し、その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状により1回10mgから15mgの範囲で適宜増減し、1日2回投与する。
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