第一三共株式会社(代表取締役社長:眞鍋淳、本社:東京都中央区、以下「第一三共」)、三菱UFJキャピタル株式会社(代表取締役社長:坂本信介、本社:東京都中央区、以下「三菱UFJキャピタル」)、国立大学法人名古屋工業大学(学長:木下隆利 、愛知県名古屋市昭和区、以下「名古屋工業大学」)は、視覚再生のための遺伝子治療薬に関するオープンイノベーション研究(以下「本研究」)を開始しましたので、お知らせいたします。
名古屋工業大学 大学院工学研究科 生命・応用化学専攻 神取 秀樹教授が率いる研究室は、第一三共の創薬共同研究公募プログラムTaNeDS*1(タネデス)において、高活性の新規光応答性タンパク質*2(以下、「GtCCR4」)の視覚再生への応用可能性を見出しました。本研究では、GtCCR4の更なる性能向上及び遺伝子治療への応用可能性検証を行い、アンメットメディカルニーズが高い、網膜色素変性症*3により視力を失った患者さんに対する革新的な遺伝子治療薬の実用化を目指します。
本研究を行うために、新会社(OiDE OptoEye(オイデ オプトアイ)株式会社、本社:東京都中央区、以下「OptoEye」)を設立し、OptoEyeに対して、三菱UFJキャピタルが運営するOiDE ファンド投資事業有限責任組合(以下「OiDE ファンド*4」)から共同研究等に必要な資金を全額出資します。
なお、OptoEyeは、名古屋工業大学の研究成果を引き継いだベンチャーとして、同大学より「名工大発ベンチャー」の称号を授与されています。
3年間の共同研究で目標達成した場合には、第一三共はOptoEyeの株式を全て買い取り、第一三共が自らのプロジェクトとして研究開発を進め、名古屋工業大学に対しては、販売後のロイヤリティを対価として支払います。
第一三共と三菱UFJキャピタルは、新規創薬基盤技術を育成するオープンイノベーション活動を引き続き進めてまいります。
以 上
*1 TaNeDS (Take a New challenge for Drug diScovery/タネデス)
TaNeDS(タネデス)は、第一三共が2011年度からオープンイノベーション施策の一環として実施している日本国内の大学・公的研究機関の研究者を対象とした創薬プロジェクトです。萌芽研究から実用化に近い段階の研究推進までを視野にいれ、幅広い領域の研究者からの共同研究の提案を、広く募集しています。https://www.daiichisankyo.co.jp/corporate/rd/taneds/index.html
*2 光応答性タンパク質
光応答性タンパク質とは、光を受けると機能を発揮するタンパク質です。GtCCR4はその中でもロドプシンと呼ばれるタンパク質ファミリーに属しており、細胞において光を受けるとそのシグナルを伝達するイオンチャネルとして機能しています。イオンチャネル機能を持つタンパク質は、視神経細胞や中枢神経における情報伝達、筋収縮などに重要な役割を果たします。
*3 網膜色素変性症
網膜色素変性症は、網膜の視細胞に異常をきたす遺伝性かつ進行性の疾患で、国の指定難病です。病気の進行とともに、視野狭窄、色覚異常、視力低下などの QOLの低下を引き起こし、失明につながります。病気の原因遺伝子は複数種が明らかになっているものの、現状は遮光眼鏡やビタミンA内服等の対症療法のみで根本的治療方法はなく、新たな治療法が望まれています。
*4 OiDE(Open innovation for the Development of Emerging technologies)ファンド
三菱UFJキャピタルと第一三共等が出資して2013年に共同で始めたファンドで、三菱UFJキャピタルがジェネラルパートナーとして運営しています。
【スキーム図】
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三菱UFJキャピタル株式会社 企画部
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E-mail:c-socc@adm.nitech.ac.jp
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