その人の生き方に貢献したい
COMPASSでは、患者さんに講演していただいたり、活動報告や社員の闘病記などを第一三共グループの日本国内全社員へ共有する「COMPASSニュース」を月に1回発行するなど、メンバーがアイデアを出し合って、活動の幅を広げている。
「実際に患者さんのお話を伺うと、それまで知らなかったこと、理解できていなかったことがたくさんあり、予想以上のインパクトがありました」と話すのは、COMPASS設立初期からのメンバー、岡本清美さんだ。
あるがん患者さんからは、毎日薬を何十錠も飲まなければならず、副作用も大変で、薬を続けられなかったという話を聞いた。
「副作用対策の薬と一緒に飲むことも考えると、自社の製品だけのことを考えていたのでは不十分。実際に患者さんが薬を使う場面をリアルにイメージしたうえで、製剤設計する必要があるのだと気づかされました」と岡本さん。
「副作用による手足のしびれ、と言っても、個人差が大きく、我々が想像できるしびれではありません。患者さんから、治療するために生きているのではなく、豊かな人生を送るために生きているのだと言われ、病気を治すというよりも、その人の生き方に貢献するべきなのではと感じました」と岡田さん。病気になった途端、治療を最優先で考えるのが当たり前と思ってしまう。そんなバイアスに自分も囚われている、とハッとさせられた経験だったという。