第一三共が開発した医薬品は、グローバルで広く使われている。日本の研究所で生まれた医薬品を、海外の患者さんに届けるためには、臨床試験をはじめ、さまざまな業務を現地スタッフと連携しながら進めていかなければならない。それは、日本と世界をつなぐ重要な役割だ。今後ますますグローバル化を進めていく流れの中で、現地で活躍する日本人スタッフのいまを聴いた。
多国籍のコミュニケーションは信頼関係がカギ
多国籍のコミュニケーションは信頼関係がカギ
組織内にさまざまな価値観の人がいるのは当然だが、それがグローバルとなると、さらに多様性が増す。そうした中では、より高度なコミュニケーション能力が求められる。
例えば、仕事の依頼の仕方ひとつとっても、メンバーそれぞれのバックグラウンドに合わせた対応が必要になる。
「これは、こういう理由で重要だから、いつまでにやらなければならないということを、きちんと伝える必要があります。何のためにやるのか、どういう重みがあるのかがわからないと、優先順位を下げられてしまうこともある。じっくりと話していくうちにわかりました」と話すのは、米国駐在3年目の原田さんだ。
丁寧に根気よくコミュニケーションを重ねていくと、文化やバックグラウンドが違っても、信頼関係ができてくる。そうなると、一つのチームとしての結束力も増し、仕事の成果もあがってくるのだという。
第一三共初のスタンディングオベーションを経験
第一三共初のスタンディングオベーションを経験
2022年6月、米国で開催された米国臨床腫瘍学会で、第一三共が創製した医薬品の臨床試験のデータ発表が終わった瞬間、聴衆の多くが次々と立ち上がり、喝采が沸き起こった。中には涙を流している人もいた。新しい治療法を待ち望んでいる多くの患者さんに変革をもたらし得るデータが報告されたからであり、これは滅多にあることではない。
「私もその場にいたのですが、拍手が鳴り止みませんでした。4年以上かけて私たちがチームで取り組んできたことの成果が、世界中の専門家や患者さんに届いた。ああ、やってきてよかったなと感じました」と話すのは、米国駐在3年目で、このプロジェクトを当時リードしていた、金子さんだ。
志のある人に道が開かれる
志のある人に道が開かれる
若年層のメンバーが海外駐在員として赴任することも、めずらしいことではないという。
「若いうちに海外に出て、様々な経験を積んで、ステップアップしてほしい、というふうに会社の考え方も昔とはだいぶ変わってきましたね」と、米国駐在経験者の山﨑さん。
「駐在員といえば男性、のような先入観も、どんどん変えていきたいなと思っています。興味があって、やる気がある人には道が開かれる。前進していきたいという気持ちがあれば、会社も後押ししてくれる。今後、さらにそうなっていくと思います」(金子さん)
創薬に国境はない
現在、米国の拠点に日本から赴任中の社員は100名超。そのうち、研究開発部門に所属するスタッフが約60名。「非常に多くの人材が海外に送られていると、身をもって実感しています」と原田さん。
一方で、日本国内の組織にも、日本以外のバックグラウンドを持つ社員が増えてきている。今後、さらにグローバル連携を深め、真の先進的グローバルヘルスケアカンパニーへと変貌を遂げていく第一三共。そこには、社員がグローバルで活躍できる無限の可能性が広がっている。
※所属等は掲載当時の情報
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