
ステークホルダーの皆さまには、日頃より当社グループの経営にご支援・ご理解を賜り、厚く御礼申し上げます。
第一三共は、120余年の歴史の中で新薬の創出に力を注ぎ、常に「患者さんのために何ができるか」という視点をもって、病に苦しむ患者さんに革新的医薬品をお届けしてまいりました。創業以来受け継がれてきた創薬のDNAは、私たち第一三共の最大の強みと位置付けている「サイエンス&テクノロジー」です。
当社には、研究者の自由な発想を尊重し、不確実な分野や未踏の領域であっても、科学的な興味と仮説をもって挑戦することを促す企業文化が根付いています。ここから生まれる独自の知識や経験は、新たなイノベーションの源泉となり、このイノベーションに挑戦する私たちの熱意を支える思いが「Patient Centricity(患者さん中心)」です。
より多くの患者さんに効果的な治療を提供し、その結果として健康で持続可能な社会の実現に寄与することができれば、当社グループのパーパスである「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」ことにつながります。患者さんへの思いとイノベーションへの情熱を企業活動の中核として位置づけ、バリューチェーン全体でPatient Centricityの取り組みを推進してまいります。
現在、2030年ビジョン「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」の実現と、その先の持続的な成長をけん引するパイプラインの拡充を図っていますが、この成長をささえるのは「人」であり、生み出したイノベーションを発展させ、医薬品として患者さんに届けるまでのバリューチェーン全体をより強固にするのも「人」です。
私たちの企業文化であるOne DS Cultureは、多様な人材がエンゲージメント高く 活躍できる企業風土や、競争力と優位性を生み出す環境を作り出しています。人材への投資を強化し、継続的に育成・強化を図り、人的資本を拡充することで、将来の成長につなげてまいります。
古来日本には、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」の考え方があります。現代風にいえばマルチステークホルダーと価値を共創するとの考え方、即ち第一三共の価値創造モデルそのものです。
パーパスを実現して患者さんにより多く貢献し、企業として成長していくこと。そこから得られたリターンを各ステークホルダーに対してバランスよく還元していくこと。それによって、企業の成長による恩恵を全てのステークホルダーが受けられることが、社会から評価され、期待され続ける企業であるために必要なことであり、第一三共の経営者として、責任をもってこれを実践してまいります。
患者さんのため、より良い社会の実現のために邁進しますので、引き続きのご支援をお願い申し上げます。
代表取締役会長 兼 CEO
